◆たぶん週1エッセイ◆
多田謡子反権力人権賞2010
今年も多田謡子反権力人権賞の季節がやってきました。
ここのところ毎年お知らせしていますが、私は、多田謡子反権力人権基金の運営委員、この基金が運営している多田謡子反権力人権賞の選考委員をしています(詳しくはこちら)。
今年は10月7日、19日、25日の3回の運営委員会で、受賞者の選考が終わり、本年度は、人権と報道・連絡会(マスコミ報道による人権侵害との闘い)、山谷労働者福祉会館活動委員会(日雇い労働者の人権・生存権のための闘い)、柏崎刈羽原発反対地元三団体(柏崎刈羽原発反対運動)の3者を選出しました。
今年の受賞発表会は12月11日(土)午後2時から総評会館(お茶の水)201号室で行われました。
人権と報道・連絡会からは、山際永三事務局長に権力と市民・人民の対置ではなくその中間にあるマスメディアの位置づけを忘れてはならないことなどを含め、マスメディアや司法のあり方をロス疑惑問題や千葉大学腸チフス菌事件などを例に冤罪との闘いと支援について報告していただきました。
山谷労働者福祉会館活動委員会からは、藤田五郎さんに山谷での故郷に帰らない/帰れない労働者たちの夏祭りや炊き出し、野宿者追い出しと生活保護申請受理拒否を続ける行政との闘い、そのための集団野営闘争などについて報告していただきました。
両者の報告の中では、権力との闘いのみならず、市民団体による冤罪やホームレス追い出し請願など、市民運動の問題の指摘もあり、運動の難しさを感じました。
柏崎刈羽原発反対地元三団体からは、武本和幸さんに今もなお褶曲運動が続き油田があることから活断層調査が進んでいた柏崎で、断層の存在が早くから指摘されながら強引に進められた原発建設の問題と、現実に地震で損傷した初めての原発でありながら、そして地震後の電力需要の鈍化から運転再開の必要もないのに強引に進められている運転再開の問題点を説明いただきました。
受賞発表会後の交流パーティーでは、人権と報道で有名な浅野憲一さんの著書等の印象よりも温厚な姿や、金属材料学の井野先生の含蓄のあるお話が印象的でした。アレフの「A」氏がせっかく来ていたのに言葉を交わす間もなく帰ってしまったのはちょっと残念だったかも。