◆たぶん週1エッセイ◆
映画「君への誓い」
妻が交通事故で夫との結婚生活だけ記憶を喪失し、夫が妻の愛を取り戻そうとするという、どこかで聞いたような設定の恋愛映画「君への誓い」を見てきました。
封切り3日目日曜日、ヒューマントラストシネマ渋谷シアター2(183席)午後0時30分の上映は1割くらいの入り。日曜日午後で恋愛映画なのに一人客の方が多い(っていっても十数人の中でですが)ってなんなんだろう、これは。
資産家の父の下でロー・スクールに通う生活を捨て、美術館付属の大学で学んでいたペイジ(レイチェル・マクアダムス)は、大学で知り合ったレオ(チャニング・テイタム)と、友人たちの祝福を受けて結婚式を挙げ、ペイジは彫刻家となり、レオは音楽スタジオを経営し、幸せな結婚生活を送っていた。そんなある日、2人は交通事故に遭い、ペイジは、レオとの4年間だけ記憶をなくしてしまう。レオと結婚生活を送っていたことは認識しつつも記憶は戻らず違和感を持つペイジは、レオとの生活を続けようとしつつ、両親の下にも赴き、行きつ戻りつしながら、かつての婚約者ジェレミーも絡み気持ちが整理できないでいた。妻をもう一度取り戻そうとするレオはさまざまな試みをするが・・・というお話。
夫との結婚生活の記憶を失った妻に対して夫はその妻との結婚生活を取り戻そうと涙ぐましい努力をするという、たぶん女性にとっては夢・ファンタジー(もっとも夫への愛情がない妻には悪夢かも)、男性にとっては悪夢(やはり妻への愛情がない夫にはこれ幸いの願望かも)のストーリー。
でも、この制作側に都合のいい、ありがちな設定ですが、夫との結婚生活の記憶だけがないというのは、やっぱりそこに何か思い出したくないトラウマがある場合なんじゃないでしょうかねぇ。素人の無責任な感想ですが。そういう意味でも、いかにもためにする設定という感じがして、そこからしらけるんですよね。
前日のMIB3に続き、連日ソニー・ピクチャーズ・エンターテインメントで、公式サイトに何にも情報がない、映画の感想を書くには悪夢のような事態(ソニー・ピクチャーズは、映画のサイト作るのやめた方がいいと、私は思う)。
字幕の文字がかなり小さくて、私にはほとんど読めませんでした。これも、私には悪印象。
この作品でも、ペイジの元婚約者の悪役は弁護士(公式サイトでキャスティングさえ書いてない)。アメリカの恋愛映画の悪役ってやたら弁護士が多い気がするというのは、私の僻みでしょうか。
ペイジが記憶を失わない時代は、ペイジは資産家の父親に庇護され、自らもロー・スクールに通い弁護士(当時はロー・スクール生かも)と婚約し、肉が好物。それに対して記憶を失ったレオと過ごした日々は美術系の大学に通って彫刻家となり、ベジタリアンでハードロックを大音響で聴き続けた。記憶をなくすと食べ物の好みまで変わる?これ、記憶をなくした4年間が、無理をして意地を張って作った虚像だったということなんじゃないでしょうか。そうすると弁護士やロースクールの日々も実は肯定的に評価されて・・・ないですよね、やはり。
妻の気持ちを取り戻そうと試行錯誤するレオの初期の空回りは、傍目にはあまりにお粗末。でも、大抵の夫はそういうもんだろうな、そういう状況に追い込まれたら、とも思います。むしろ、その初心さ加減が微笑ましいかも。って思うのは中年男だけなんでしょうね。
夫婦が初心に返ってデートするというシチュエーションは、微笑ましい。そこに心のときめきを感じられるかが問題でしょうけど。
レイチェル・マクアダムスの笑顔がとても印象に残る映画でした。これくらいの笑顔を見せてくれたら、ときめきが長持ちするのでしょうけど。そういう笑顔にさせられるかはあんたの力量の問題でしょという声が後ろから聞こえてきますが・・・
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