たぶん週1エッセイ◆
映画「BLACK & WHITE」

 親友同士の武闘派CIA捜査官が1人の女性を奪い合うアクションラブコメ映画「BLACK & WHITE」を見てきました。
 封切り2日目土曜日、最初の土曜日から格落ちのスクリーン9(127席)を充てた新宿ピカデリー12時10分の上映は9割くらいの入り。観客層は若めのカップルが多数派、次いで中高年男性一人客、女性同士というところ。

 CIAでチームを組む武闘派捜査官、遊び人のFDR(クリス・パイン)とバツイチでまじめ男のタック(トム・ハーディ)は親友同士。極秘捜査で派手に相手を殺傷した上に黒幕に逃げられて謹慎処分になって、タックは出会い系サイトに登録して、仕事もなげうって恋人についてきたのに捨てられて元彼を見返したいローレン(リース・ウィザースプーン)と意気投合したが、同じ日、FDRがレンタルビデオ店でナンパした相手も同じローレンだった。2人は、お互い邪魔をしない、セックスはしない、友情を壊さない約束でローレンとつきあうが、互いに自分のチームを率いてCIAの情報を流用し、追跡・侵入・盗聴・監視をしてローレンの動向と相手の動きを探りあう。事情を知らないローレンは、突然現れた2人の男とゴージャスなデートを繰り返しつつ、どちらを選んでいいのか迷い、親友のトリッシュ(チェルシー・ハンドラー)は両方の男とセックスしてから選べとアドヴァイス。そのアドヴァイスを2人並んで盗聴していたタックとFDRは呆然とし、2人に襲撃された黒幕は復讐に乗り込み・・・というお話。

 基本的には、荒唐無稽な設定を気にせずに、お馬鹿なラブコメという位置づけで見る映画だと思います。そういう視点で徹底する限り、台詞回しもしゃれてて楽しめます(予告編と本編で台詞の訳がだいぶ違います)。
 まじめに見るなら、「史上最大の職権濫用」のサブタイトルが示すように、権力を持ったヤツは必ずそれを濫用するという寓意を込めた映画ということになりますが。そういうふうに見ると、役人、特に若い役人に権限を持たせるとろくなことにならないよなって、多くの人が何らかの形で経験している身近ないやな役人がちらついて楽しめなくなるでしょう。

 この映画の提起するものは、男性の観客にとっては、親友、あるいは親友とまでいえなくても自分の知っている人物が自分の恋人とHしているまたはHしたことがあるという状況を、どこまで受け入れられるか、どのように受け止めるかにありそうです。どちらもとHしている、これからそうしようとしている女性を恋人に、さらには妻にできる?という問いかけです。ラブコメでなく、男の友情ものとすれば、両方とセックスしてから決めろというトリッシュのアドヴァイスを受け入れるローレンの言葉を聞いた時点で、ゲーム・オーバーにする選択肢もあったでしょうし、心情的にはその方がすっきりするなぁ。
 公式サイトのイントロダクションでは「2012年GW最強のデートムービー決定版だ!」って書いてますが、どうなんでしょう。男性側は先に述べたようなことで気詰まり感がありそうですし、女性側は、2人の男が奪い合ってくれる快感に酔いしれる姿を見られたり気付かれるのもなんでしょう。デートで見るの、意外にリスキーかも。
 距離感の微妙なカップルよりは、単純に笑える相手と見に行った方がいいかなと思えました。

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