たぶん週1エッセイ◆
映画「トータル・リコール」

 1990年の大ヒット映画のリメイク「トータル・リコール」を見てきました。
 封切り4日目お盆休み中の月曜日、ヒューマントラストシネマ渋谷シアター1(200席)午前11時55分の上映は8割くらいの入り。

 化学兵器による戦争のために居住可能地域が富裕層の住むブリテン連邦と貧困層が住むコロニー(オーストラリア大陸)の2か所しかなくなった近未来の地球で、労働者は地球の反対側まで「フォール」と呼ばれる乗り物で毎日移動して働いていた。コロニーに住む工場労働者クエイド(コリン・ファレル)は夜な夜な見知らぬ女性と2人で敵と戦いながら脱走しようとして失敗する夢にうなされていた。工場の同僚から勧められて娯楽のために別人の記憶を植え付ける「リコール社」を訪れたクエイドは、諜報員のコースを選択したが、現実と重なる記憶は植え付けられないという担当者から実施直前にストップをかけられたところに、多数の武装警察官に襲われ、とっさに武装警察官を倒して自宅に逃げ帰る。自宅で警察官の妻ローリー(ケイト・ベッキンセール)から事情を聞かれて答えたクエイドは、ローリーにも襲われ、クエイドという人間は存在しない、記憶を書き換えられてローリーは監視役だったと知らされる。数少ない情報から自分は本当は誰なのかを探り記憶を取り戻そうとするクエイドは・・・というお話。

 富裕層の住むブリテン連邦の指導者コーヘイゲン(だったと思います。例によって信じられないほど何も書いてないソニー・ピクチャーズの公式サイトには登場人物紹介もキャスト紹介もなくストーリーでも言及していませんので、確信は持てませんけど)と、貧困層の住むコロニーを解放しようとするグループの指導者(もちろん富裕層からはテロリストと呼ばれている)マサイアスの情報戦を背景に、その中で重要な役割と使命を与えられた主人公と、ブリテン連邦警察官で主人公の監視役だった女性とコロニー側での主人公の同志の女性が絡み合うアクション映画になっています。
 何が真実で、誰が味方かということが最大のポイントになっている作品で(そこはくどいくらい何転かするというか、問いかけがあります)、その展開とアクションが見せ場の映画です。

 地球の反対側まで約17分間で移動する「フォール」。地球の核を通過するところで、一瞬無重力状態にして重力を反転させるとか、それだけでオイオイと思います。そこまでの科学力がある地球人が、解毒や除染をできないって化学兵器の毒はよほどのものなんでしょうね。
 そういう設定の荒唐無稽さ(もちろん、記憶を書き換えられるというところもそうなんですけど)もありますが、ラストに至る前提で、「フォール」を1つ爆破すればそれでブリテン連邦とコロニーの間の行き来ができなくなるとしているのが、見終わった後に全体として納得できない思いを残しました。映像としても爆破されたのはフォールの一部のように見えますし、単純に考えても、ブリテン連邦が必要としている労働者数がフォール1つに乗車できる人数で足りるとは思えず、フォールは多数あると考えざるを得ないのですが。

 武装警官はスターウォーズのクローンみたいで、それをクエイドが作ってるのはご愛敬ですが、そういうところとか、コロニーはオーストラリアなのに香港かと思えるアジアンテイストのスラムが広がってるとか、もうちょっときちんと考えて作って欲しいなと思いました。

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