◆たぶん週1エッセイ◆
映画「うみべの女の子」
中学生の不器用さとタイミングのずれですれ違う2人を切なく見守る映画
不器用に体を重ねる中学生女子と男子のすれ違いを描いた映画「うみべの女の子」を見てきました。
公開2日目土曜日、ヒューマントラスト渋谷 odessa シアター1(200席)午前9時50分の上映は、7割くらいの入り。
小さなごみごみした浜辺のある地方都市に住む中学2年生の佐藤小梅(石川瑠華)は、チャラい先輩三崎(倉悠貴)に告白するがフラれオーラルセックスだけを求められ、同期生で1年の時に小梅に告白してきた磯辺恵介(青木柚)を誘ってセックスする。磯辺からキスを求められてそれは拒み、佐藤が自分のことを好きになってつきあうことはないのと聞かれて、ないと答えた小梅は、その後も学校のトイレや磯辺の部屋で磯辺とのセックスを繰り返したが、磯辺は小梅の体を求めつつ次第に冷めた態度を取るようになり…というお話。
原作の漫画は全然読んだことないのですが、映画で見る限り、自分のことでいっぱいいっぱいで相手のことを思いやれず、自分の気持ちに素直になれず、不必要に苛立ち、苛立ちをまずぶつけてしまう不器用さ、恋愛を難しくするタイミングのずれといったことから生じる2人のすれ違いを切なく見る作品なのだなと思いました。
海辺を美しくではなく、ごみごみした寂れた浜辺と印象づけるためか、今ひとつクリアでない映像が採用されていて、冒頭からそちらの印象を強く感じました。
エンディングで、たぶん映画の撮影中に撮った写真が次々写されて、まぁ微笑ましいんですが、右下に「ISOBE CAMERA」とか「KOUME CAMERA」とかの表示があって、そうならそれぞれの立場から見たシーンやキャラの捉え方の違いなんかが反映されているかと思って見ていたのですけど、たくさん出てくるうちにあんまり変わらなく感じられました。「ISOBE CAMERA」の写真に磯辺も写っているし、「KOUME CAMERA」の写真に小梅も写っているし、それなら写真のチョイスで違いを出せよって思うんですが。
ヒューマントラスト渋谷シアター1。昨年10月から「高域、低域を1つのスピーカーから出力することにより、従来スピーカーでは再現できなかった正確な音域を全席で解放。セリフや環境音をより正確に伝えることで、映画の持つ感情をよりリアルに、より鮮明に、お届けいたします。」「【odessa theatre】の特徴に加え、さらに音を堪能するためにボリュームをプラス。【odessa vol+】では耳だけではなく、全身で体感していただきます。音に包まれる新感覚音響体験をぜひお楽しみください。」という odessa シアターになってると、本編前に告知があるのですが、その告知直後の「映画泥棒」ビデオはよそで聞くのと変わらないし、本編も、カミさんは音が異常に大きいと文句いってたけど、私はあまり違いを感じられませんでした。耳が悪い?
(2021.8.21記)
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