庶民の弁護士 伊東良徳のサイト

たぶん週1エッセイ◆
映画「パリ猫ディノの夜」
 昼と夜で2組の飼い主の元、違った顔を見せる猫をめぐる冒険を描いたアニメ「パリ猫ディノの夜」を見てきました。
 封切り2週目土曜日、全国唯一の上映館新宿ピカデリースクリーン10(115席)午前11時30分の上映は、この日から先着1000名に特製ティースプーンの入場者プレゼント付きで4割くらいの入り。観客の多数派は女性客でした。

 ギャングのヴィクトル・コスタに警察官だった父親を殺されて失語症になった少女ゾエは、警察官でコスタを追いながら連続宝石泥棒の捜査に追われている母親のジャンヌと家政婦のクロディーヌとともに暮らしていた。しかし、ジャンヌは仕事で忙しくゾエをかまってやれず、ゾエはトカゲをくわえて訪れる猫ディノに癒される日々を過ごしていた。ある日、ディノが持ち帰ったダイヤモンドがあしらわれた魚のブレスレットを見たジャンヌはそれを怪しみ、ゾエは夜窓から出て行くディノの後をつける。ディノが夜別の家で若い男ニコにかわいがられているのを知ったゾエは、うちに帰る途中、次の犯行の打ち合わせをしているコスタに見つかって逃げるが…というお話。

 絵の美しさや迫真性、細部の描き込みを競うアニメ・CG映画の多い中で、あえてマンガっぽい粗くてぺったりした絵で作っているのが印象的です。絵本というか紙芝居が動いているようなイメージ。
 さらにいえば、2010年の作品のフィルム上映ということもあってか、最初の方、画面の左側で流れ星が流れるような画面のノイズもありました。
 そのあたりが、かえって新鮮な感じもしますし、味わいがありました。

 ディノがくわえてきたトカゲを帰ってきた母親に見せようとするゾエに対し、ジャンヌは部下からの電話にかまけてゾエの方も見ないで、ゾエは部屋に閉じこもってしまう。ゾエの部屋に行き、さっきはごめん、何を見せたかったのと聞くジャンヌに対して、ゾエがトカゲを見せると、気持ち悪いといって放り投げるジャンヌ。う〜ん、ありがちな母娘関係で、ゾエが悲しむ様子が身につまされます。
 そして、ディノが通る度に吠えついて飼い主から、うるさいとスリッパをぶつけられる隣家の飼い犬リュフュがかわいそう。アニメではありがちないじられキャラではありますが。
 コスタが狙う秘宝「ナイロビの巨像」が笑えます。

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