たぶん週1エッセイ◆
映画「バレンタインデー」
ここがポイント
 群像劇なので、豪華キャストの割には散漫な印象
 全体として楽しい雰囲気で終われればいいやって感じの位置づけの映画

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 ロサンジェルスの男女15人のバレンタインデーの悲喜こもごもを描いた映画「バレンタインデー」を見てきました。
 封切り3日目バレンタインデーの日曜日午前中、予定変更で3番手スクリーンに落としたミラノ3は、ミラノ1の「魔法少女リリカルなのは」に開場前からアニメオタクが列をなしているのを尻目に、4割くらいの入り。この内容とこのタイトルで、バレンタインデー当日がこの程度の入りでは悲しい。観客層はカップル中心かと思いきや、意外にも中高年男性一人客がけっこう目につきました。カップルはこういう日は映画になんか来ない?

 朝一番に一緒に暮らす恋人モーリー(ジェシカ・アルバ)にプロポーズしてOKをもらって浮かれる花屋の若オーナーリード(アシュトン・カッチャー)が、実はまだそこまでの気持ちがなかったモーリーに去られ、他方親友のジュリア(ジェニファー・ガーナー)の恋人の医師ハリソン(パトリック・デンプシー)が同居する妻とジュリアへの花束のプレゼントを注文したことからハリソンが実は妻帯者と知って親友のジュリアに真実を伝えようとする中でジュリアへの気持ちに気づいていくというストーリーを軸にして、そこにリードに教師のジュリアへの花の配達を頼む小学生、遠くの大学に行く恋人アレックス(英語版公式サイトでもキャスト紹介なし)と初体験を計画するグレース(エマ・ロバーツ)の戸惑い、その父エドガー(ヘクター・エリゾンド)と出会って50年になる元女優の妻エステル(シャーリー・マクレーン)の夫に内緒にしていた過去の告白、リードにインタビューしたスポーツキャスターケルビン(ジェイミー・フォックス)と意気投合した取材相手のアメフト選手(エリック・デイン)の広報担当者カーラ(ジェシカ・ビール)、携帯でテレフォンセックスのアルバイトをしている秘書のリズ(アン・ハサウェイ)とつきあい始めて2週間の同僚ジェイソン(トファー・グレイス)、ロスへの飛行機の中で隣の席に座ったホールデン(ブラッドリー・クーパー)と1日だけの休暇でロサンジェルスに大事な人に会いに来た大尉ケイト(ジュリア・ロバーツ)を絡めてこれで15人!(15人のカウントがここから小学生を除くかアメフト選手を除くか意見が分かれるかも)のバレンタインデーを描いたお話。ハリソンと同じマンションに住むダンスチームの女子学生フェリシカ(テイラー・スウィフト)と陸上選手は15人には入っていないんでしょうね。それともアレックスの代わりにフェリシカが入るのかも・・・サイトによっては男女19人という紹介もありますし・・・

 登場人物が多岐にわたり、顔が似た俳優もいるのでけっこうフォローが大変。公式サイトにも相関図がないし、日本語版公式サイトに至ってはキャスト紹介さえない(ストーリーのところでおおかたは書いてますが)ので、見終わっても関係がよくわからないところも。
 一応、リードとジュリアの「親友」が恋人へという展開が中心にはなるんですが、リードとジュリアの他には、リズとジェイソン、ホールデンとケイトの行き先がけっこうやきもきさせます。スチール写真にも使われているホールデンとケイトが、全体の流れにずっとはまらなくて何だろうと思いますが、最後に一番意外な形で流れに入ります。

 見終わっても、モーリーが出て行った理由が今ひとつわかりません。
 それから、エステル。自分が悪いのに、いいところばかりじゃなくて悪いところも丸ごと受け容れなきゃダメって・・・自分で言う台詞じゃないと思うんですが。

 いくつもの恋が描かれていますが、1つ1つのエピソードが短時間で切り貼りされ、十分に味わいにくい。群像劇なので、豪華キャストの割には散漫な印象を残します。全体として楽しい雰囲気で終われればいいやって感じの位置づけの映画かと思います。
 エンド・ロールにNG集が挟まれていて、まぁそういう雰囲気の映画かなと納得します。

(2010.2.14記)

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