庶民の弁護士 伊東良徳のサイト

たぶん週1エッセイ◆
映画「私がモテてどうすんだ」
ここがポイント
 基本的には、外見がすべて、やせればモテるという、エステ業者のCMのようなコンセプトの作品
 激ヤセ後は身長が伸び、眼鏡なしになるのは何故?
  
 第40回講談社漫画賞(2016年)受賞の少女漫画を映画化した「私がモテてどうすんだ」を見てきました。
 公開3日目日曜日、松竹配給映画のど本丸新宿ピカデリーシアター1(580席/販売267席)午前9時30分の上映は、なんと観客11人。

 親友のあーちゃん(上原実矩󠄃)とともにイケメン男子同士のカップリングを妄想して楽しむ腐女子芹沼花依(激ヤセ前:富田望生)は、お気に入りのアニメのキャラシオン様が殺されたことにショックを受けて寝込み、激ヤセして美少女になる(激ヤセ後:山口乃々華)。久しぶりに登校すると、同級生のスポーツ系イケメン五十嵐(神尾楓珠)、チャラい系イケメン七島(伊藤あさひ)、ツンデレ系後輩四ノ宮(奥野壮)、史学部の先輩六実(吉野北人)から次々とデートに誘われ、花依は誰も選べずに全員とデートする。あーちゃんからデートではオタクの正体を見せるなと忠告されながら、待ち合わせ場所をオタクの殿堂池袋のアニメショップ前にしてしまった花依は、何か食べようとか言ってごまかそうとするが、店員の限定スペシャルグッズ販売残り1点の呼び込みに耐えきれず店に飛び込みアニメキャラの抱き枕を買って出てきてオタクをカムアウトする。それでも諦めない4人に囲まれ、困惑と喜びを隠せない花依に、優勝しないと廃部と言い渡された演劇部から演劇コンクールでの主役のオファーがあり…というお話。

 再度太ってしまってもイケメン4人が見捨てず、そこでは心がまっすぐだとか評価してはいますが、基本的には、外見がすべて、やせればモテるという、エステ業者のCMのようなコンセプトの作品です。
 城の城壁(石積み)を偏愛するオタク志向の六実が、激ヤセする前から花依に通りがかるたびに丁寧に挨拶し、他の知人が激ヤセした花依を別人と間違える中、初見で「芹沼さん」と声がけするなど、「美少女」になる前からきちんと花依を見ていたという描写に、若干救いがあるものの、この映画では花依がそれ故に六実を選ぶという設定でもなく、見た目重視の印象のまま終わってしまいます。

 激ヤセする前の花依と激ヤセ後の花依が並ぶ場面はいくつかあるのですが、激ヤセ後の方がはっきり身長が高いのはなんとかならなかったのでしょうか。激ヤセするという設定だから、横幅は before/after で大幅に変わって問題ないですが、寝込んで絶食したら身長が伸びるってことはないでしょう。
 激ヤセ前は、丸眼鏡をかけていた花依ですが、激ヤセ後は眼鏡なし、激ヤセ後に再度太っても眼鏡なし。最初の眼鏡は何だったのか、視力はどうだったのか、まったく説明もありません。

 花依がオタクをカムアウトしたところで、測ってませんでしたが開始から10分か15分くらいだったかと思いますが、出演者の名前が流れ始め、おいおいもう終わりかよと思います。
 演劇部には、ボーイッシュなパトロンの娘(中山咲月)に加え美少女だがあがり症で舞台に上がると台詞が言えないマスクの女性がいて、「広瀬すず」と紹介されます。本当に広瀬すずがカメオ出演してたら面白いなと、エンドロールをしっかり見つめましたが…
 最後のエンドロール終了後に、劇場でしか見られないスペシャル映像と称してNG集が流されます。
(2020.7.12記)

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