たぶん週1エッセイ◆
映画「かいじゅうたちのいるところ」

 モーリス・センダックの絵本を映画化した「かいじゅうたちのいるところ」を見てきました。
 封切り2日目土曜日、新宿ミラノ1は(入場者プレゼントの厚紙の王冠を配ってましたけど)1割足らずの入り。もともと定員1064名のミラノ1でやるには無理がある映画だと思いますけど。

 母親と姉と3人暮らしの少年マックスは、かまって欲しくていたずらを繰り返すが、姉クレアは友だちとのつきあいに忙しく、母親は仕事で追い立てられ新しい恋人もできてマックスにばかりかまっていられない。それでかんしゃくを起こしたマックスは台所で暴れ、母親から夕食抜きを言い渡されたのをきっかけに動物の着ぐるみウェアをきたまま家を飛び出し、たどり着いた海をヨットに乗ってこぎ出し嵐の中を見知らぬ島にたどり着く。そこは怪獣たちの住む島で、怪しんで食べてしまおうという怪獣たちに食べられないために自分は王様だと宣言したマックスは、怪獣たちの1人キャロルに気に入られて王様として遊びを指揮するが・・・というお話。

 別に邪険にされているわけでもなく母親は可能な範囲でマックスに付き合っているのに、自分が一番でいたいとさらにかまってほしいといたずらややんちゃを続けるマックスの姿は、寂しいのはわかるけどちょっとひんしゅくもの。そのマックスが、怪獣とお友達になり、「王様」として怪獣たちの好き嫌いや気まぐれをぶつけられる側にまわり、一番の友だちになったキャロルにかんしゃくを起こされて、家に戻る成長ストーリーになっています。ある意味、自分を外から見せられて冷静に受け止められるようになるってパターンです。
 しかし、ストーリーとして味わうには、あまりにもシンプル。
 予告編でも使われているマックスと怪獣たちが楽しく遊び続けるシーンは長くは続かず、どちらかというと怪獣たちのしんみりとした場面の方が多くなっています。
 見どころは、あまり長くないマックスと怪獣たちの歓喜に溢れる幸せそうな映像と、着ぐるみだと思いますが怪獣たちのうれしそうな表情のかわいさ、悲しそうな表情の切なさくらいです。その部分で楽しめないと、見続けるのはつらい/眠いかなと思います。

**_****_**

 たぶん週1エッセイに戻る

トップページに戻る  サイトマップ