庶民の弁護士 伊東良徳のサイト

短くわかる民事裁判◆
判決主文:建物明渡請求認容
 建物明渡請求を全部認容する(原告全部勝訴の)判決の主文は、
1.被告は、原告に対し、別紙物件目録記載の建物を明け渡せ。
2.被告は、原告に対し、令和○年○月○日から明渡し済みまで1か月○万円の割合による金員を支払え。
3.訴訟費用は原告の負担とする。
というのがふつうです。
 建物明渡請求が認容されるときは、賃料に相当する損害金の支払いも同時に命じられることが多く、この第2項のような主文が付くことになります。たいていの場合は、賃料の額を毎月払えということになりますが、賃貸借契約書に賃料相当損害金(ちんりょうそうとうそんがいきん)の特約の定めがあるとき(契約解除後は賃料の2倍の額の損害金を支払う等の規定が時折見られます)にはその額の支払いを命じられることがままあります。
 長期にわたる賃料滞納の事案や重大な用法(使用方法)違反があるときには仮執行宣言(かりしっこうせんげん)が付けられますが、微妙な事案なら仮執行宣言は付けないことが多いです。

 明渡し義務は、仮執行宣言がつけられた場合以外は、判決確定時に生じ、家主側ではその強制執行ができます。強制執行は、判決確定後しばらくして、家主側の申立てにより執行官(しっこうかん)が尋ねてきて明渡を求め、そのときは次に来るとき(概ね1か月後の日が予告されます)までに明け渡さないと実力で追い出すと告知して帰るのが通例です。その間に明け渡すなり家主と協議で任意に明渡す日を決められないときは、執行官が業者(鍵を開けたり家具等を運び出す専門業者)を連れてやって来て借家人が強制的に追い出されることになります。

 判決については、モバイル新館のもばいる 「弁論の終結と判決」でも説明しています。
  

**_**区切り線**_**

短くわかる民事裁判に戻る

トップページに戻るトップページへ  サイトマップサイトマップへ

民事裁判の話民事裁判の話へ   もばいるモバイル新館 民事裁判の話