◆短くわかる民事裁判◆
判決の言い渡し:マスコミが注目する事件では
マスコミが注目している事件では、マスコミ(司法記者クラブ)から裁判所に、判決期日の記者用傍聴席の確保、開廷前撮影の許可、判決要旨の作成とマスコミへの配布などの要請が入り、裁判所も通常それに応じて準備をします。
そういった事件では、特に運動側というか支援者が多い側の弁護団(べんごだん。民事なんだからほんとうは「代理人団(だいりにんだん)」だろうと思うのですが)は判決期日にも出席します(テレビに映りたいとかいうことではなく、支援者が来ているのに行かないわけにはいかないし、通常、そういう事件では判決後に報告集会をしますので、報告要員としても必要になります)。
マスコミが注目する事件では、裁判官も、主文だけではなく、理由の要旨の説明もするのがふつうです。
マスコミが注目する事件の判決期日は、傍聴券の抽選になるのがふつうですので、傍聴席には入れない支援者が出てきて、報告集会の場所や、裁判所の前で待っているという事態も起こります。そうすると、判決の主文が読み上げられた時点で(マスコミの記者も電話をかけに飛び出しますが)、判決結果を「勝訴」とか「不当判決」とか書いた「ビローン」と呼ばれる巻物を持って走るとかの騒ぎにもなります。
そういう事件の判決書はすごく長い(原発裁判とかだと数百ページがふつう)ので、弁護団は、言渡が終わるとすぐに分厚い判決書を受け取って読み込み、評価すべき点・批判すべき点を分析して、記者会見に臨むということになります。弁護団の人数が少ないときは、記者会見の後支援者への報告集会に臨み、弁護団の人数が多ければ、記者会見要員と報告集会要員を分担して並行して行うということもあり得ます。
こんな感じで、マスコミが注目する事件の判決期日は、弁護団、特に弁護団長とか事務局長クラスの中心メンバーには、長い一日になります。
判決については、モバイル新館の 「弁論の終結と判決」でも説明しています。
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