◆短くわかる民事裁判◆
判決要旨・判決骨子
判決の報道で、記事と別に「判決要旨」が掲載されていることがあります。
記者が自分で判決を読んで要点をピックアップするということも、ひょっとしたらあるかも知れませんが、おそらくはその「判決要旨」は、マスコミ(司法記者クラブ)の要請で裁判所が作成したものです。
裁判所は、あくまでも、マスコミへのサービスとして作成しているので、判決要旨が作成されている場合でも、裁判の当事者(原告、被告)やその代理人(弁護士)が要求しても渡してくれません。もちろん、マスコミが要求していないときに当事者やその代理人が作ってくれと言っても作ってくれません。
判決がとても長くて、判決要旨自体も割と長文になってしまうときは、マスコミからの要請でさらにそれを短くした「判決骨子」もよく作られます。
当事者の代理人(弁護団)が判決要旨とか骨子を受け取るのは、ふつう記者からそのコピーを渡されてということになります。実際には、そういう事件で弁護団がコメントするのには、要旨レベルではなくて判決書全体を読み込む必要があるので、判決要旨などもらっても大して役には立たないのですけど(裁判官が強調したいのはここなんだなという理解のためには多少意味がありますが)。
判決当日に、「有識者」としてマスコミからコメントを求められるときは、たいていは、その判決要旨をFAXとかメールとかでもらってそれを見てコメントすることになります。ものによっては、判決要旨じゃなくて判決文自体を読みたいんだけどということもありますが、なかなか判決当日には判決文自体は入手できない(もっとも近年は支援者のサイトに即日アップされることもありますが)のと、判決文を読むほどの時間がないとか、たかだかコメントのためにそこまでの労力をかけられないこともあり、そういうときには「判決要旨」が重宝します。
※ちなみに新聞から判決等についてのコメントを求められたときにコメント料ってもらったことがありません。
判決については、モバイル新館の 「弁論の終結と判決」でも説明しています。
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