庶民の弁護士 伊東良徳のサイト

短くわかる民事裁判◆
法廷映像
 テレビのニュースなどで民事裁判が報じられるとき、法廷の映像がバックに流されることがよくあります。 この映像はどのように撮影しているのでしょうか。
 裁判所は、裁判所内での写真撮影・動画撮影・録音を禁止していますので、マスコミのカメラ撮影も、事前に申し入れて裁判所の許可を取ってなされます。
 裁判所が撮影を許可した場合、当事者と代理人がそろい、傍聴人が入場して着席したところで、裁判所職員から、本日は冒頭にテレビカメラの撮影があります、映りたくない方はその間退席してくださいというような告知があり、マスコミ側で決めた1社のカメラが傍聴席(ぼうちょうせき)の真ん中一番後ろ側に設定されます。裁判官も着席して(先に裁判官が入っているときも、後で入ってくるときもあります)、たいていは2分間撮影が続きます。その間は特に何もせず、ただ座ったままで、手持ち無沙汰ですが、黙って撮影が終わるのを待っています。音声は録っていないのだと思います。裁判所職員が、それでは撮影を開始します、1分経過、残り30秒とか言い、最後はカウントダウンしたりして、予定時間経過したところで撮影が打ち切られ、カメラが撤去されます。テレビ局側では、その代表撮影の映像を共有してニュースのバックに使っています。映されている映像は、裁判をしている場面ではなく、開始前に待っているというか、ただテレビ局のために映像素材を提供しているというものです。
 撮影が終わり、カメラが出ていくと(ここで空咳をしたり、首や肩を回す人も時折います)、裁判長が、では開廷しますとか言って、そこから通常の裁判期日が進められることになります。

※カメラ撮影をするかどうかは、マスコミ側が希望するときに申し入れますので、第1回口頭弁論からカメラが入る事件も、その後の口頭弁論でもカメラ撮影があるときも、判決期日に撮影があることもあり、さまざまです。

 判決については、モバイル新館のもばいる 「弁論の終結と判決」でも説明しています。
  

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