◆短くわかる民事裁判◆
準再審の申立てに対する審理
準再審の申立てに対する審理手続は、準再審開始決定をする前は決定の手続(民事訴訟法第349条第2項、第345条第1項、第2項、第346条第1項)、再審開始決定が確定した後の「本案の審理(ほんあんのしんり)」(準再審の対象となる決定または命令を見直すための審理)は準再審の対象となる決定または命令の発令手続と同じ手続によるとされています(民事訴訟法第349条第2項、第341条、民事訴訟規則第211条第2項)。
そうすると、準再審の再審の申立てに対する審理は、結局、すべて決定(または命令)の手続となります。準再審の申立てを容れて(準再審開始決定をし)確定した決定・命令を見直す場合であっても、判決をすることにはなりません。
決定手続では、口頭弁論を開くかどうかは裁判所が自由に決めることができ(民事訴訟法第87条第1項但し書き)、口頭弁論を開かない場合は裁判所は特に方式の定めがない「審尋(しんじん)」という手続で当事者の意見を聞くことができるとされています(民事訴訟法第87条第2項)。
準再審の申立てに対する審理手続で、裁判所を縛る規定は、申立てを認容する場合には、その前にまず準再審開始決定をしなければならないこと(民事訴訟法第349条第2項、第348条第1項、第346条第1項)、準再審開始決定をする場合には事前に相手方を審尋しなければならないこと(民事訴訟法第349条第2項、第346条第2項)くらいです。
申立てを不適法として却下する場合(民事訴訟法第349条第2項、第345条第1項)、再審事由がないとして棄却する場合(民事訴訟法第349条第2項、第345条第2項)には、口頭弁論はもちろん、相手方や申立人の審尋をする必要もなく、書面審理のみで決定をすることができます。
再審申立書を相手方に送付するかどうかについても、民事訴訟規則が抗告状について、「その抗告が不適法であるとき、抗告に理由がないと認めるとき、又は抗告状の写しを送付することが相当でないと認めるときは」送付しなくてもよいとしている(民事訴訟規則第207条第1項但し書き)ことからして、却下または棄却の決定をする場合は、相手方に再審申立書の送付もしない(申立てがあったことの通知もしない)という扱いが多いのではないかと思います。
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