◆短くわかる民事裁判◆
抗告裁判所
地方裁判所、家庭裁判所の決定に対する抗告（即時抗告を含む）を審理し、決定する裁判所（抗告裁判所）は高等裁判所になります。
高等裁判所のうち、東京高裁、大阪高裁、札幌高裁、高松高裁には地域により所管を分ける支部がなく（東京高裁には「知財高裁」という特別の支部があり、事件の種類により所管が分かれます）、管内の地家裁の決定に対する抗告事件は、すべて本庁が担当します。名古屋高裁には金沢支部、広島高裁には岡山支部と松江支部、福岡高裁には宮崎支部と那覇支部、仙台高裁には秋田支部があり、支部の所管する地域の地家裁の決定に対する抗告事件は高裁支部が担当します。
その結果、次のようになります。
札幌地家裁、函館地家裁、旭川地家裁、釧路地家裁の決定→札幌高裁
青森地家裁本庁・八戸支部・十和田支部、盛岡地家裁、仙台地家裁、福島地家裁、山形地家裁本庁・新庄支部・米沢支部の決定→仙台高裁本庁
青森地家裁弘前支部・五所川原支部、秋田地家裁、山形地家裁鶴岡支部・酒田支部の決定→仙台高裁秋田支部
水戸地家裁、宇都宮地家裁、前橋地家裁、さいたま地家裁、千葉地家裁、東京地家裁、横浜家地裁、新潟地家裁、甲府地家裁、長野地家裁、静岡地家裁の決定→東京高裁
岐阜地家裁、名古屋地家裁、津地家裁の決定→名古屋高裁本庁
富山地家裁、金沢地家裁、福市家裁の決定→名古屋高裁金沢支部
大津地家裁、京都地家裁、大阪地家裁、神戸地家裁、奈良地家裁、和歌山地家裁の決定→大阪高裁
広島地家裁、山口地家裁の決定→広島高裁本庁
鳥取地家裁、島根地家裁の決定→広島高裁松江支部
岡山地家裁の決定→広島高裁岡山支部
徳島地家裁、高松地家裁、松山地家裁、高知地家裁の決定→高松高裁
福岡地家裁、佐賀地家裁、長崎地家裁、熊本地家裁、大分地家裁本庁・杵築支部・竹田支部・中津支部・日田支部の決定→福岡高裁本庁
大分地家裁佐伯支部、宮﨑地家裁、鹿児島地家裁の決定→福岡高裁宮崎支部
那覇地裁の決定→福岡高裁那覇支部
簡易裁判所の決定に対する抗告（即時抗告を含む）を審理し、決定する裁判所（抗告裁判所）は簡裁所在地の地方裁判所の本庁です。地裁支部は抗告裁判所になりません。例えば松戸簡裁の決定についての抗告裁判所は千葉地裁松戸支部ではなく千葉地裁本庁です。
管轄についてはモバイル新館の「どの裁判所に訴えるか」でも説明しています。
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