◆短くわかる民事裁判◆
控訴状での当事者の誤記載
控訴状には、当事者及び法定代理人を記載しなければなりません(民事訴訟法第286条第2項第1号)。
その当事者を書き誤った場合、どのように扱われるでしょうか。
訴状では、当事者の記載に誤りがあると、そもそも当事者が誰なのか(当事者の特定)に問題を生じ得ます。しかし、控訴状の場合、通常は第1審の当事者が控訴の当事者ですので、記載を誤っても当事者の特定の問題は生じません(複数当事者の事件で、控訴したい相手を間違って他の当事者名を書いたような場合や、複数当事者が親族などで同氏のところ名前をどの当事者とも違う表記をしたなどの場合は当事者の特定の問題が生じますが)。
控訴状で被控訴人の表示を誤ったということを控訴が不適法であったとして上告がなされた事件で、最高裁1959年11月19日第一小法廷判決は、「かくの如き誤記の補正は訴訟の係属中いつでもなし得るものといわなければならない」とし、「当事者の表示が単に誤記であるに過ぎず後にそれが補正されている以上はその控訴の提起により第一審判決の確定は有効に阻止されたものと解すべきことはこれまた多弁を要しない」としてとりあいませんでした。この事件で具体的にどのような書き間違いがされたのかは判決文からわかりませんが、控訴状の当事者の誤記載は、通常は判決までに補正すれば足りると考えてよいでしょう。
控訴については「控訴の話(民事裁判)」でも説明しています。
モバイル新館の「控訴(民事裁判)」でも説明しています。
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