◆短くわかる民事裁判◆
民事裁判は何のためにある?
民事裁判(みんじさいばん)は、自分の権利が侵害されたり実現できない状態にあったりもめごとになったりといった法的な紛争(トラブル)が発生したときに、その当事者が希望した場合には、裁判所が、公正な第三者の立場で、証拠に基づいて事実を認定し、法律などの一定のルールを基準に判断を示して、問題となっている権利を実現するなどして紛争を法的に解決するという制度です。民事裁判では、だれもが、受け身ではなく、自ら積極的に、それを利用する(裁判の開始を求める)ことができるのです。これは、法的な紛争に巻き込まれた一般人が紛争を解決するために、国が用意したサービスと言ってよいでしょう。
※刑事裁判では、犯罪が発生したときに、国(検察官)が、犯人だと考える人(「被告人(ひこくにん)」と呼ばれます)を強制的に起訴(きそ)して、裁判所はその起訴された犯罪事実(はんざいじじつ:被告人がいつどこでどのような犯罪を行ったかについての検察官の主張)について被告人が有罪か無罪かを判断し、有罪と判断した場合にはどのような刑を科すべきかを判断します。刑事裁判は、国の刑罰権(けいばつけん)の行使を裁判所がチェックするという制度です。刑事裁判は、全体として法を破る者を処罰することによって法秩序、社会秩序を守ることを目的としていると言ってよいでしょう。
同じく裁判所が行う裁判でも、民事裁判と刑事裁判ではその目的や効果が異なっています。もっとも、民事裁判制度も、直接には法的な紛争に巻き込まれた一般人を救済しその紛争を解決するものですが、同時にそのような制度があることによって、約束を守らなかったり他人を踏みつけにすれば裁判を起こされて本来行うべき義務や賠償を裁判所に強制されるおそれがあるので自主的に約束や法を守ろうとする人が増え(たいていの人はそうするので)法秩序が守られるという効果もあり、それが期待されているとも言えます。
詳しく知りたい方は「民事裁判の話」か、モバイル新館の 「民事裁判の話(民事訴訟の話)」を読んでください。
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