◆短くわかる民事裁判◆
民事裁判って何ですか
民事裁判（みんじさいばん：法律家の業界では「民事訴訟（みんじそしょう）」と呼ぶことの方が多いです）は、広い意味では、刑事裁判（けいじさいばん）以外の裁判全体を指し、多くの場合は刑事裁判と行政裁判（ぎょうせいさいばん）を除いた裁判を指し、一番狭い意味では家事事件（かじじけん）なども除いた、法律家の業界では「通常民事事件（つうじょうみんじじけん）」とか「民事通常事件（みんじつうじょうじけん）」と呼ばれる裁判（地方裁判所では事件番号に「ワ」をつける事件：ワ号事件）を指します。
民事裁判は、刑事裁判とは異なり、誰でも起こす（訴えを提起する）ことができます。
※刑事裁判以外の民事裁判から、家事事件の方を除いて、通常民事事件と行政裁判をまとめて捉えるという考え方もあります。それは家事事件は家庭裁判所、通常民事事件と行政裁判は地方裁判所で扱うので行政裁判の方が通常民事事件に近い側という感覚です。裁判所の司法統計年報も、民事・行政事件、刑事事件、家事事件（あと少年事件）に分かれています。
しかし、一般人の感覚では、離婚訴訟は、行政裁判よりも、民事裁判らしいでしょう。このサイトではそういう感覚の方を大事にして、通常民事事件と家事事件を一体として民事裁判と呼ぶ扱いも示すことにしました。
※犯罪を処罰するための裁判は、刑事裁判と呼ばれ、裁判所の刑事部で取り扱われます（未成年者の刑事事件などの少年事件は、家庭裁判所の少年部で取り扱われます）。刑事裁判は、ごく一部の例外的な場合を除いて、国の官僚である検察官（けんさつかん）が起訴（きそ）を行います。刑事裁判は、民事裁判とは異なり、誰でも裁判を起こせるということにはなっていません。
国や地方自治体（都道府県とか、市町村など）などの行政機関（ぎょうせいきかん）が公的な権限によって行ったこと（代表的には各種の許認可をしたことやしないこと、例えば原発の設置許可とか、運転免許の停止や取消、税務署の課税や労災の不支給決定などですが、公務員に対する免職なども含まれます）が争われる裁判は、行政裁判（行政訴訟）と呼ばれ、通常とは少し違う裁判手続になります。行政裁判は行政機関から処分を受けたり申請を拒否されるなどの不利益を受けた人を中心に、民間人も裁判を起こすことができ、裁判所の民事部で審理されます。
離婚や相続など親族関係の紛争について、紛争の当事者が裁判所に紛争の解決を求める事件が家事事件で、家族関係ということを考慮して通常とは少し違う手続が取られます。家事事件は家庭裁判所で審理されます。
詳しく知りたい方は「民事裁判の話」か、モバイル新館の「民事裁判の話（民事訴訟の話）」を読んでください。
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