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短くわかる民事裁判◆
再審の本案の判決に対する上訴の手数料
 再審の訴えの訴え提起手数料は、通常の訴えの場合とは異なり、訴額にかかわらず定額で、簡易裁判所に提起する場合が2000円、それ以外の場合が4000円とされています(民事訴訟費用法第3条、別表第1 8の項(1)、(2))。
 しかし、民事訴訟費用法の条項と別表を見ても、再審で本案の判決があった場合の控訴、上告の手数料は記載されていません。
 別表第1の8の項には「再審の訴えの提起」の項目しかありません。通常の訴えでの控訴の提起の項目(2の項)は、「1の項により算出して得た額の1.5倍の額」、上告の提起または上告受理の申立ての項目(3の項)は、「1の項により算出して得た額の2倍の額」とあり、1の項は通常の訴え提起手数料で訴額に応じて定まります。再審の本案の判決に対する控訴の提起は8の項の金額の1.5倍だとは、どこにも書いていないのです。
 しかし、裁判所職員総合研修所の「民事実務講義案T〔5訂版〕」には「訴え提起の手数料額が定額の事件(現行では、再審)の判決に対する控訴提起手数料は第一審での手数料額の1.5倍とする。」と記載されており(66ページ)、1999年度書記官実務研究報告書「民事上訴審の手続と書記官事務の研究」2019年補訂版でも、本案の審理「によりなされた判決に対して控訴の提起がなされた場合は、通常の控訴として、第1審における再審の訴え提起の手数料の1.5倍と解されている」と記載されています(107ページ)。
 裁判所書記官向けの教科書的な文献でこのように明示されていますので、実務はこれによっていると考えられます。
 そうすると、簡易裁判所の判決に対する控訴は3000円、地方裁判所の判決に対しては控訴なら6000円、上告なら8000円、高等裁判所の判決に対しては上告なら8000円、特別上告も同じ(8000円)となります。

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 再審については「再審請求の話(民事裁判)」でも説明しています。
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