◆短くわかる民事裁判◆
再審開始決定確定の効力
再審原告による再審の訴え(再審請求)に対し、裁判所が(再審被告を審尋した上で)再審事由があると認めて再審開始決定を行い、その決定が確定した(再審被告が不服申立てをしなかった、不服申立てをしたが退けられそれ以上不服申立てができない状態となった)場合、裁判所は、再審原告の「不服申立ての限度で、本案の審理及び判決をする。」とされています(民事訴訟法第346条第2項)。
「不服申立ての限度で」というのは、控訴や上告での不服申立ての限度でと同様の意味で、再審原告が主張した再審事由(再審訴状の必要的記載事項の「不服の理由」)に限定されるという意味ではありません。
「本案の審理」というのは、再審請求の対象となった確定判決の事件について再度審理するということを指しています。
つまり、再審開始決定が確定すると、再審請求の対象となる判決言渡前の状況に戻ってその続きの形で審理が行われ、改めて判決が言い渡されるということになります。
そして、その審理の中では、再審開始決定が確定している以上、再審被告は、再審事由がないという主張をすることはできません(しても無視されます)。
本案の審理の結果、裁判所が、確定判決を「正当」とするときは、再審原告の請求を棄却しなければならないとされています(民事訴訟法第348条第2項)が、それ以外の場合は確定判決が取り消されて新たな判決がされることになり(民事訴訟法第348条第3項)、それは、確定判決とは逆の判決である可能性が高いので、再審被告としては、それを防ぐために、再審開始決定自体を争う利益があります。
再審開始決定に対する不服申立てについては、「再審開始決定に対する不服申立て」で説明しています。
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再審については「再審請求の話(民事裁判)」でも説明しています。
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