◆短くわかる民事裁判◆
再審の訴え却下決定の効力
再審の訴えが不適法であるとして再審の訴えを却下する決定がなされた場合、またその決定が確定した(不服申立てをしなかった、不服申立てをしたが退けられそれ以上不服申立てができない状態となった)場合、再度の再審申立はできなくなるでしょうか。
民事訴訟法第345条第3項は、再審請求を棄却する決定が確定したときは、「同一の事由を不服の理由として、さらに再審の訴えを提起することができない。」と定めています。再審の訴え却下決定はその対象とされていませんし、一般的にも訴え却下決定は再訴を妨げません。
そうすると、(再審請求棄却決定とは異なり)再審の訴え却下決定がされても、またそれが確定しても、再度の再審の訴え提起は可能と考えられます。
もっとも、再審の訴えは、再審事由を知った日から30日以内に提起しなければなりません。再審の訴えが不適法として却下されてまた再度新たに再審の訴えを提起するとなれば、通常は最初の訴えから30日を超えているでしょうから(最初の再審の訴え提起時には、その再審事由を知っていたことは明らかですから)、同じ再審事由を理由とする再度の再審の訴え提起はできないことになります。
再審期間の適用がない3号再審事由や10号再審事由の場合は再審期間を気にする必要がなく、また4号〜7号再審事由では、その後に有罪判決の確定や「証拠がないという理由以外の理由により有罪の確定判決若しくは過料の確定裁判を得ることができない」事情(被疑者の死亡、公訴時効の成立、起訴猶予処分等)が生じればそこで新たに要件が整ったこととなってそれを知った日から30日以内に再度再審の訴えが可能となります。
しかし、それ以外の場合は、再審の訴え却下決定が確定すると再審期間を遵守することができなくなりますので、再審の訴えを維持したければ、訴え却下決定に対して不服申立てをする必要があるということになります。
再審の訴え却下決定に対する不服申立てについては、「再審の訴え却下決定に対する不服申立て」で説明しています。
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再審については「再審請求の話(民事裁判)」でも説明しています。
モバイル新館の「再審請求」でも説明しています。
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