◆短くわかる民事裁判◆
送達場所の届出:システム送達の場合
2026年5月21日以降に提訴された事件での文書の送達
裁判所からの文書の送達(相手から提出された送達を要する書類、例えば訴状、訴えの変更申立書や反訴状、裁判所が作成するものとしては電子判決書、和解調書等)は、2026年5月21日以降に提訴された訴訟についても、民事訴訟法の規定上の原則としては、電子提出あるいは電子作成されたファイルをプリントアウトした書面を、当事者が届出した送達場所に対して行われることになっています(民事訴訟法第109条、第104条第2項)。
しかし、2026年5月21日以降に提訴された訴訟については、裁判所のシステム(当面 mints。裁判所は2027年度中に新たなシステム TreeeS に移行するとアナウンスしています)にアカウント登録してシステム送達を受けることと届け出た当事者に対しては、裁判所がシステム上にファイルをアップロードする方法で送達がなされ、郵便による送達は行われません。弁護士は(簡易裁判所で代理ができる認定司法書士も)システム送達を受けることが義務づけられ、システム送達によらない(従前と同じく郵便で送達を受ける)という選択はできません。
(現実には、2026年5月21日以降に第1審の訴えが提起された事件=新法適用事件では、システム送達が主流になると思われますが、本人訴訟をする一般人にシステム送達を受けることを強制しないという建前から、法律の規定では紙の郵送が原則のような体裁になっているのです)
システム送達
システム送達の場合、裁判所がシステムにファイルをアップロードし(それに応じて、システムからアップロードを通知する電子メールが来ます)、当事者がそのファイルを閲覧するかダウンロードした時点で送達されたという扱いになります(民事訴訟法第109条の3第1項第1号、第2号。この閲覧にはmints画面上でファイルを開いたり印刷した場合のほか、プレビューボタンを押した場合も含まれることが裁判所配布の操作マニュアル当事者ユーザー編で示唆されています:同マニュアル63ページ)。メールを放置してシステムにアクセスしないとか閲覧もダウンロードもしない場合は、通知メール発信日から1週間後に送達されたという扱いになります。
システム送達を受ける旨の届け出
システム送達を受ける旨の届け出は、申立て側(原告)については裁判所のシステムで訴状を作成提出する際にシステム送達を受けるという項目を選択する(スライドをオンにする:弁護士がサインインしているときはデフォルトでオンになっています)ことですることとなっています。
システム上の項目選択で行わなかった場合には、別途届出書を提出することによりシステム送達を受けることができます。裁判所が公開している書式例はこちら。
相手方側(被告)は、訴状副本(紙ベース申立ての場合)あるいは訴状の出力書面(電子申立てで被告が送達前にシステム送達を受ける旨の届け出をしていない場合)の送達時に記載されている招待キーをmints画面上で入力して自分のアカウントを事件情報と関連付けたうえで、届出書の電子ファイル(pdfファイル)をアップロードして行います。
※訴状の副本等の送達書類中に招待キーが記載されていない場合(裁判所も新法対応に不慣れな場面があり、そういうことも現にあります)、裁判所に連絡し、適宜な方法で(例えば、弁護士の場合被告からの訴訟委任状と mints ID を担当部にファクシミリ送信するなどして)裁判所に事件と関連付けをしてもらい、その後 mints にサインインして(訴訟委任状の画像情報をアップロードするとともに)届出書の電子ファイルをアップロードするなどします。
従来の送達との違い
従前は、弁護士が代理人となった場合に弁護士(代理人)か本人のどちらかのみが送達場所となり、また事務所が異なる複数の弁護士が代理人のときには誰か1人(1か所)を選択する必要があったのですが、システム送達では複数への送達を受けることができます。
この場合、送達が期間の起算日となるとき(判決書、決定書などに対する控訴などの不服申立てなど)は、一番最初に送達を受けた(ファイルを閲覧した、ダウンロードした)日が起算日となるので注意が必要になります。
※裁判所のシステムのアカウント登録は、こちら(裁判所のサイトでの説明と登録届け出フォーム等のページ)
システム送達を受けない場合の送達場所の届出については「送達場所の届出」で説明しています。
訴えの提起については「民事裁判の始まり」でも説明しています。
モバイル新館の「訴えの提起(民事裁判の始まり)」でも説明しています。
(2026.1.21作成、最終更新2026.9.3)
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