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【判決に不服があるとき】
 判決に不服があるときには「上訴(じょうそ)」ができます。1審判決に対する上訴を「控訴(こうそ)」、控訴審(2審)判決に対する上訴を「上告(じょうこく)」といいます。

《上訴審の裁判所》
 民事裁判では、1審が地方裁判所の場合は、控訴審は高等裁判所、上告審は最高裁判所が担当します。家事事件の場合、1審は家庭裁判所ですが、この場合も、控訴審は高等裁判所、上告審は最高裁判所になります。
 1審が簡易裁判所の場合は、控訴審は地方裁判所、上告審は高等裁判所が担当します。1審が簡易裁判所の場合の上告審の高等裁判所の判決に対しては、憲法違反を理由とする場合に限り、さらに最高裁判所に特別上告をすることができます。

1審が簡易裁判所だと4審制になるの?
憲法問題は最後は最高裁の判断を求められるという制度です。実際憲法違反の主張が通ることはほとんどないですが。

《上訴ができるのは》
 控訴、上告は、全部勝訴した側はすることができません。つまり、判決の事実認定や理由に不服があっても、請求が全部認められた場合の原告は控訴できず、請求棄却の場合の被告は控訴できません。また、訴訟費用の負担に関する部分だけについての不服申立もできません。

《上訴と附帯上訴》
 一部勝訴の場合は、当事者双方が自分の敗訴部分について控訴、上告ができます。この場合、相手が控訴・上告しないなら自分も控訴・上告しなくてよいという考えでいると、相手が控訴・上告したと知ったときには上訴期間を過ぎていることがあります。そういう場合に上訴期間内に上訴しなかった側も、相手が上訴している限り、上訴期間経過後に上訴をすることができます。これを裁判業界では「附帯控訴(ふたいこうそ)」「附帯上告(ふたいじょうこく)」と呼んでいます。附帯控訴、附帯上告は、相手方が行った控訴、上告が取り下げられたり不適法として却下されると、上訴としての効力がなくなります(なかったことになります)。

《再審》
 上訴がなされないか最終審の判決が出ると判決は確定します。確定した判決に対して、民事裁判でも「再審」を行うことができることになっています。しかし、再審の条件はかなり厳しく限定されていて、刑事事件の再審と違って新しい証拠を見つけたということは再審の理由になりません。民事裁判では再審が認められることは、ほとんどないといってよいでしょう。

刑事事件でも再審は開かずの扉というけど。
民事再審は、そもそも扉じゃなくて針の穴くらいですね。

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