◆たぶん週1エッセイ◆
映画「ニューイヤーズ・イヴ」
同じ監督の前作「バレンタイン・デー」と同様のテイストの群像劇だが、ハート・ウォーミング系の話が多い
女性が年上のカップルが2組入り、女性のたくましさが目に付くのはトレンドか
ニューヨークで大晦日を過ごす人々のそれぞれのドラマを集めた群像劇「ニューイヤーズ・イヴ」を見てきました。
封切り4週目日曜日、ヒューマントラストシネマ渋谷のシアター2(183席)午後2時5分の上映は5〜6割の入り。
ニューヨークの大晦日の恒例行事「ボール・ドロップ」を運営するタイムズスクエア協会副理事長のクレア(ヒラリー・スワンク)と、クレアを支える警備責任者ブレンダン(クリス・“リュダクリス”・ブリッジス)、ボール・ドロップの装置を長年取り扱ってきたがリストラされた技師コミンスキー(ヘクター・エリゾンド)、大晦日に交通事故に遭いかけた上に長年貢献してきたのにボーナスも少なく2週間の休暇も上司から拒否されてキレて会社を退職して1つも実現できていなかった「今年の目標」を見つめるイングリッド(ミシェル・ファイファー)とその目標実現につきあう自転車便メッセンジャーのポール(ザック・エフロン)、ポールの親友だが大晦日の空騒ぎをきらい家に引きこもろうとするランディ(アシュトン・カッチャー)とともにエレベーターに閉じ込められせっかく射止めた大晦日のコンサートのバック・シンガーの仕事に間に合わないと焦るエリーズ(リー・ミシェル)、親友の結婚式に出席した後自損事故を起こして車が故障し親が経営するレコード会社の大晦日のパーティーでのスピーチに駆けつけようと焦りつつ昨年の大晦日にあった謎の女性との約束が心を離れないサム(ジョシュ・デュアメル)、そのレコード会社の大晦日のパーティーの料理を任されて張り切る料理長のローラ(キャサリン・ハイグル)とそのパーティーのコンサートのメインを務める歌手ジェンセン(ジョン・ボン・ジョヴィ)、大晦日に産気づき新年1番の出産に2万5000ドルの賞金が出ると聞いて競争心をあらわにするテス(ジェシカ・ビール)とグリフィン(セス・マイヤーズ)、グレイス(サラ・ポールソン)とジェイムズ(ティル・シュバイガー)の2組のカップル、その病院に入院中の末期癌患者スタン(ロバート・デ・ニーロ)と最後の夜に付き添う看護師のエイミー(ハル・ベリー)、ボーイフレンドと大晦日をタイムズスクエアで過ごす計画を立てるポールの姪の15歳のヘイリー(アビゲイル・ブレスリン)とヘイリーを一人で行かせたくないシングルマザーのキム(サラ・ジェシカ・パーカー)のそれぞれの大晦日の計画とハプニングが次第に絡まり・・・というお話。
予告編で「大晦日のニューヨーク、心残りを抱える8組の物語」と謳われていますが、その8組をどう捉えるかは見ているうちに少しずつずれてきて・・・という構成になっています。そのあたりは同じ監督の前作で同様の群像劇「バレンタイン・デー」(2010年)と似たようなテイストですが、今回は基本的にハート・ウォーミング系の話でまとめられています。エンド・ロール前にNG集が入るのも前作と同じ。
むしろ一番違いを見せるのは、前作のカップルがほぼ同世代のカップルばかりだったのに、今回ははっきり女性が年上のカップルが2組入り、特にイングリッドとポールは年が2倍って・・・これがトレンドなんでしょうか。
年齢を別としても、ジェンセンをいきなり平手打ちにしすがりつかれてもすげなく振り払うローラとか、女性のたくましさが光ります。
ボール・ドロップのボールが途中で故障してつなぎのためにするクレアのスピーチと、エンディングに入る今年一年の様々な苦難に「地震と洪水」が入っているあたり、見ていてホロリとします。
(2012.1.15記)
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