たぶん週1エッセイ◆
映画「ウォンテッド」
ここがポイント
 主役を食うアンジーの圧倒的な存在感
 あらゆる意味での荒唐無稽な、頭を使わないで見るB級アクション映画

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 謎の暗殺組織とそこにスカウトされた若者が繰り広げる暗殺と戦いのアクション映画「ウォンテッド」を見てきました。
 封切り2週目金曜日夜ですがかなりガラガラ。荒唐無稽にもほどがあり過ぎでしょうか・・・

 ストーリーとしては、仕事もできず上司にバカにされ恋人も同僚に寝取られとどうしようもなくさえない若者ウェスリー(ジェームズ・マカヴォイ)が、謎の女性フォックス(アンジェリーナ・ジョリー)に暗殺組織「フラタニティ」に連れて行かれ、生後すぐに別れた父親が敵に殺されその仇を討つよう告げられて、組織で特訓して一流の暗殺者となって敵の暗殺に向かうが・・・という形で進行します。もちろん、どんでん返しがありますが・・・
 このストーリー展開からは、主人公はウェスリーですし、ガン・アクションとしてはウェスリーが担う場面が多いのですが、それにもかかわらずフォックスの方がかっこいい。映っている時間は明らかにウェスリーの方がずっと多いのに、印象としてはフォックスの方が強いのは何故でしょう。
 ウェスリーは、偉大な暗殺者の父の血を引いている、パニック障害なのではなく脈拍が400を超えると目にもとまらぬ動きができる(200を超えると変身してしまう「ハルク」を超えた?)とか、素質が強調されてはいますが、6週間の特訓でトップクラスの暗殺者と言われてもってこともあるでしょうか。
 どんな怪我を負っても数時間程度で治してしまう「回復室」(それでも回復室のロシア人だけ助からないのは何故?)、捻って(回転をかけて)撃つとカーブする銃弾とか、撃った銃弾同士が空中で衝突して止まるとか(そういう漫画はどこかで見たことがあるような・・・)、荒唐無稽もちょっとやり過ぎというところもあるでしょうか。
 ウェスリーのガン・アクション、特に最後に敵陣に単身乗り込んでの銃撃戦は、「シューテム・アップ」並みですが、これが銃弾がカーブしたり銃弾が衝突したりで、「シューテム・アップ」をも超える荒唐無稽さです。
 まぁ、それを言ったら、フォックスのカー・アクションもかなりのもので、そもそも車ってあんなになっても走れるものかと思いますが、でもこれがかっこいい。フォックスの孤高さ、原理主義的とも言える一種の使命感は、現実的にはいやなヤツと思いますが、映画で見る限りやはりかっこいい。
 そして「フラタニティ」のボスのスローン(モーガン・フリーマン)。悪役ですし、アクションシーンなしなんですが、やはりかっこいい。
 単純に役者の格なんでしょうか。

 全編を通じて、流血シーンが多く、R15指定もむべなるかなですが、英語音声を聞いてると、一番数多く登場した形容詞はfuckin’のように思われます。ウェスリーと職場の女性上司とのやりとりでも出てきました。
 あらゆる意味での荒唐無稽さとあわせ、「超大作」というよりは、頭を使わないで見るB級アクション映画と位置づけた方がよさそうです。

(2008.10.3記)

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