◆女の子が楽しく読める読書ガイド◆
不思議の国のアリス
(原題 Alice's Adventures In Wonderland)
アリスは行動的で気が短い少女に描かれ、ジョン・テニエルの挿絵の目つきも強気そう
最後に不思議の国から戻ったアリスについての書きぶりをどう評価するか
お薦め度:わりとお薦め/
ルイス・キャロル作、初版は1866年。
女の子が主人公の古典童話で最も有名なものの1つ。でも続編の「鏡の国のアリス」も含めて、どちらかというと女の子よりもおじさんに愛好家が多い気がしますね。
ストーリーは、少女アリスが(夢の中で)不思議な国に迷い込み、不思議の国の食べ物や飲み物で体が大きくなったり縮んだりしながら、へんてこな人や動物とめぐりあい、お茶会やクロッケーに参加し、裁判に巻き込まれたところで夢から覚めるというもの。
読み物としてよくできていることは間違いありません。
アリスの人物設定は、行動的で気が短い少女に描かれています。ジョン・テニエルの挿絵の目つきも強気そうですね(鏡の国のアリスの方では目つきが柔らかくなっているように感じますけど)。
アリスは、出会ったへんてこな人物・動物と話し始めてしばらく立つとたいていいらだっています。今時の人が訳したらムカつく・イラつく・キレるが相当な頻度で出てきそうです。
Adventuresといっても、アリスは、基本的には、歩いていって出会ったへんてこな人物・動物と話すだけです。冒険の要素としては、体が大きくなったり、涙の洪水に巻き込まれたり、白ウサギの家の中で大きくなって出られなくなって暴れるあたりくらいです。
それからアリスは不思議の国では計算もできない、詩の暗唱もまともにできない、おつむの弱い子と描かれています。不思議の国の外ではできるという意味なんでしょうけど、読んだ印象ではアリスを知的な子とか賢い子とは感じにくいですね。
不思議の国から戻ったアリスについて、その経験が成長につながるような記述はなく、作者は最後にアリスをまるっきり子ども扱いした表現で母親になったときに子どもに夢のある物語を語れるだろうとまとめています。
このあたりをどう評価するかでお薦め度が変わりそうです。
私の娘は、アリスが白ウサギの家で大きくなって暴れてトカゲのビルを蹴飛ばして吹っ飛ばすシーンが気に入ったといっていますし、アリスが九九を間違えるシーン(ええと、4かける5は12で、4かける6は13で、4かける7は−)はケラケラ笑っていましたが・・・
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