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   ◆活動報告:原発裁判(JCO臨界事故)◆

  7 まとめ

 以上に具体的に検討したように、個別作業員のレベルではなくJCOが企業全体として違法操業を広範かつ日常的に敢行してきたことから違法操業への抵抗感が麻痺し、臨界事故に至る判断ミスを招いた。そして安全審査ではそのような事態を全く想定せず、杜撰な審査で事業を許可し、規制当局は事業者に実施時期と対象まで予告するなれ合い巡視しかぜずに違法操業を指摘しなかったばかりか結果的に沈殿槽への投入を動機づけた可能性が高い。臨界事故の責任を論じるにあたり、規制当局と原子力安全委員会の責任に言及しないか遠慮がちにしか言わないものが多いが、臨界事故の責任は組織としてのJCOとともに原子力安全委員会と旧科学技術庁にも相当程度あるというべきである。

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