◆子どもにもわかる裁判の話
  だれが裁判(さいばん)をするの

 裁判というものがあるわけの話で、裁判というしくみでは、だれが決めるか、どういうふうに裁判を進めるか、どういうルールで解決(かいけつ)の仕方(しかた)を決めるかが大事(だいじ)だということがわかったね。ここでは、まず、だれが決めるのかについて説明(せつめい)しよう。
 みんなは、とりあえず、ウィーズリーくんとロングボトムくんのクラスの中でのもめごとだとして、だれに決めてもらうのがいいと思うかな。
 学校の先生。それは偉い(えらい)人に決めてもらうのがいいってことかな。先生の方が学校のきまりごとはよく知っているし、それ以外のこともよく知っているから、きっといい解決の仕方を決めてくれるだろうってことだね。でも、学校の先生は、子どもの気持ちを全部わかっているというわけじゃないし、先生には気がつかないことだってあることも確か(たしか)。
 学級会を開いてみんなで議論(ぎろん)をする。子どもの気持ちは子どもたちどうしの方がわかるし、子どもの間のことは子どもの方が知っていることも多いよね。そういう仲間(なかま)というか自分と同じような立場の人が決めた方が納得(なっとく)する。それはあるね。でも偉い人じゃないと決めてもらってもありがたみがないというかちょっと不安だったりもする。
 どちらもいいところもあるし、よくないところもあるね。それで、どちらの方が納得しやすいか。
 実は、アメリカでは、学級会のやり方で決めている。みんなの中からくじ引きで選ばれた人が12人(陪審:「ばいしん」というんだ)で議論して決めるんだ。
 日本では、先生に決めてもらうやり方をしている。裁判のために特別に選ばれた裁判官(さいばんかん)という偉い人に決めてもらうというしくみだ。どちらを選ぶかはその国ごとに違っている。日本では偉い人に決めてもらってそれに従うという方が、みんなが納得するだろうと考えられているんだね。だけど日本でも、偉い人が決めるというだけじゃいけないんじゃないかという話になってきた。それで2009年5月からは、後で説明する刑事裁判(けいじさいばん)のうち重い罪の場合だけなんだけど、その特別な裁判はくじ引きで選ばれた人が裁判官と一緒に決めるという新しいしくみになった。これだと先生と学級委員が話し合って決めるという感じかな。

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