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短くわかる民事裁判◆
電子判決書の送達:システム送達の場合
 2026年5月21日以降に提起された民事裁判の判決がなされると、裁判所は、システム送達ができる場合(弁護士等の代理人がついているか、本人訴訟で本人がシステム送達を受ける旨の届け出をしている場合)は、電子判決書(でんしはんけつしょ。裁判業界では「でんしはんけつがき」と読むことも多いです)を裁判所のシステムにアップロードし、そうでない場合は電子判決書の正本(せいほん。電子判決書の記載事項を記載した書面に裁判所書記官の認証文を付けたもの)を代理人(弁護士)がついているときは代理人に、代理人がついていないときは当事者(原告、被告)本人に郵送等により交付することになります(民事訴訟法第255条)。後者の場合(システム送達によらない場合)については「判決書の受け取り(送達)」で説明しています。

 システム送達による場合は、裁判所のシステムのアカウント登録をしていれば、裁判所のシステムにログインして送達場所として選択することによって、弁護士等の代理人とともに当事者本人も同時に送達を受けることができます。
 裁判所がシステムに文書等(電子判決書以外の文書でも)をアップロードすると、送達を受ける者として選択された者全員に電子メールで通知されます。そのメールを見て裁判所のシステムにログインしてアップロードされた文書を閲覧したりダウンロードすることができ、原則としてそのときに、その文書が送達されたという扱いになります(改正法施行後民事訴訟法第109条の3第1項第1号、第2号)。メールを無視して閲覧やダウンロードをせずに放置した場合は通知のメールの発信日から1週間後に送達された扱いになります(改正法施行後民事訴訟法第109条の3第1項第3号)。
 システム送達で文書を閲覧やダウンロードした場合、その日付と当事者が記録され、またそれが電子メールで通知されます。
 電子判決書の送達日は、控訴期間の起算日(その翌日から起算して2週間が控訴期間:民事訴訟法第285条)となり、当事者と代理人が(さらには複数の代理人が)別の日に送達を受けた(電子判決書を閲覧またはダウンロードした)場合、最も早い日が基準となります。以前は、代理人(弁護士)と当事者本人がともに送達を受けることはほぼなかったので、弁護士は現実に判決書の送達を受けた日を考えていればよかったのですが、今後は、自分より先に当事者本人が送達を受けていないかを確認する必要があります。その確認自体は、裁判所のシステム上明確に記載されるので簡単ではありますが、そこを見落とさないようにしなければなりません。

 判決については、モバイル新館のもばいる 「弁論の終結と判決」でも説明しています。

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