◆短くわかる民事裁判◆
簡裁の不動産に関する訴訟の地裁への移送申立
訴訟の目的の価額が140万円以内の不動産に関する訴訟は、地方裁判所にも簡易裁判所にも事物管轄があります。
不動産については、訴訟の目的の価額は固定資産税評価証明書の評価額を基準とし、訴訟の対象が所有権の争いではなく賃借権の場合はその2分の1ですので、賃借人に対する建物明渡請求では、簡易裁判所に事物管轄があるケースが多くなります。
不動産に関する訴訟が簡易裁判所に提起された場合、被告が本案について弁論する前、つまり訴状の請求の原因に対する認否・反論を書いた答弁書や準備書面が陳述扱いになる前に、被告がその簡易裁判所所在地を管轄する地方裁判所(例えば東京簡裁なら東京地裁)への移送を申し立てたときは、訴訟をその申立に従って移送しなければなりません(民事訴訟法第19条第2項)。
管轄についてはモバイル新館の 「どの裁判所に訴えるか」でも説明しています。
**_****_**