庶民の弁護士 伊東良徳のサイト

短くわかる民事裁判◆
再審の本案の判決に対する上訴と事件記録符号
 再審の本案の裁判は、再審請求対象の判決と同じ審級の判決であり、再審請求対象の判決が控訴審判決であることが多いため、その手続を錯覚しかねない(本来上告すべきものを控訴と間違いかねない)ということを「再審の本案の判決に対する上訴」で説明しました。

 この各裁判所での本案判決の審級に応じて、事件記録符号の扱いも変わりますので、ここでまとめておきます。(1999年度書記官実務研究報告書「民事上訴審の手続と書記官事務の研究」2019年補訂版215〜217ページ)

●簡易裁判所の判決に対する再審請求
 すべてが第1審判決に対する再審請求で、本案の判決も第1審判決です。
 再審事件:簡易裁判所 (ニ)
 控訴提起事件:簡易裁判所 (ハレ)
 控訴事件:地方裁判所 (レ)
 上告提起事件:地方裁判所 (レツ)
 上告事件:高等裁判所 (ツ)
●地方裁判所の判決に対する再審請求
 第1審判決に対する再審請求である場合と控訴審判決に対する再審請求である場合があります。
 地方裁判所に再審の訴えが提起されると、どちらも(カ)の事件記録符号が振られます。
▲第1審判決に対する再審請求の場合
 再審事件:地方裁判所 (カ)
 控訴提起事件:地方裁判所 (ワネ)
 控訴事件:高等裁判所 (ネ)
 上告提起事件:高等裁判所 (ネオ)
 上告受理申立て事件:高等裁判所 (ネ受)
 上告事件:最高裁判所 (オ)
 上告受理事件:最高裁判所(受)
▲控訴審判決に対する再審請求の場合
 再審事件:地方裁判所 (カ)
 上告提起事件」:地方裁判所 (レツ)
 上告事件:高等裁判所 (ツ)
●高等裁判所の判決に対する再審請求
 控訴審判決に対する再審請求である場合と上告審判決に対する再審請求である場合があります。
 高等裁判所に再審の訴えが提起されると、どちらも(ム)の事件記録符号が振られます。 
▲控訴審判決に対する再審請求の場合
 再審事件:高等裁判所 (ム)
 上告提起事件:高等裁判所 (ネオ)
 上告受理申立て事件:高等裁判所 (ネ受)
 上告事件:最高裁判所 (オ)
 上告受理事件:最高裁判所 (受)
▲上告審判決に対する再審請求の場合
 再審事件:高等裁判所 (ム)
 特別上告提起事件:高等裁判所 (ツテ)
 特別上告事件:最高裁判所 (テ)
●最高裁判所の判決に対する再審請求
 再審事件:最高裁判所 (ヤ)

 私に再審の相談をしたい方は、「再審メール相談」のページをお読みください。

 再審については「再審請求の話(民事裁判)」でも説明しています。
 モバイル新館のもばいる「再審請求」でも説明しています。

**_**区切り線**_**

短くわかる民事裁判に戻る

トップページに戻るトップページへ  サイトマップサイトマップへ

民事裁判の話民事裁判の話へ   もばいるモバイル新館 民事裁判の話