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短くわかる民事裁判◆
費用計算書:訳文作成費用
 民事訴訟費用法は、訳文の作成費用を訴訟費用としています(民事訴訟費用法第2条第8号)。
 翻訳料の額は、外国語を日本語に翻訳したものについては訳文を記載した400字詰め用紙1枚につき1600円とされています(民事訴訟費用規則第3条)。

 これについても、実は、これまで考えたことがなくて、まぁ外国文書の訳文を提出する事件は私にはあまりなくて(基本的に書類が外国語の場合、依頼者が翻訳してくれるという条件でないと受けませんし)、そういう事件で判決を取って、さらには訴訟費用額確定処分なんて経験がありませんので、よくわかりません。

 しかし、今どきは無料の機械翻訳の精度がそれなりに上がっていますし、日本語訳を求めたら、ちゃんと目を通してチェックしたとは思えないGoogle翻訳レベルのものを平然と出してくる人もいます。そうすると、必要とは思えない大量の外国語文書を書証として提出した上で、無料の機械翻訳をその訳文として提出してくる人もいるだろうと思います。民事訴訟費用法の規定上「当該民事訴訟等の資料とされたものに限る。」とはされています(民事訴訟費用法第2条第6号)が、書証について、提出されたものを「取り調べない」と突っ返す裁判官はまずいませんから、それが訴訟費用の対象外だという主張もなかなか難しいように思えます。
 そんな代物について、400字あたり1600円(ふつうの準備書面の書式=37字×26行1枚あたり約3850円)で訴訟費用計上されたらたまらないと思うのですが。まぁ、そういう無謀で恥知らずな書証提出をする輩はたぶん敗訴するでしょうから、そういう理不尽な訴訟費用を払わされる可能性は低いでしょうけど。

 訴訟費用とその取り立てについては「訴訟費用の取り立て(民事裁判)」でも説明しています。
 モバイル新館のもばいる 「訴訟費用の負担(訴訟費用の取り立て)」でも説明しています。
  

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