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短くわかる民事裁判◆
送達場所の届出
 民事裁判の当事者(原告、被告)、その代理人(弁護士)は、裁判所に送達場所(そうたつばしょ)の届出をすることになっています(民事訴訟法第104条第1項)。
 裁判所からの文書の送達(相手から提出された送達を要する書類、例えば訴えの変更申立書や反訴状、裁判所が作成するものとしては判決書等)や事務連絡等の文書の送付は、届けられた送達場所に対して行われます(民事訴訟法第104条第2項)。事件の相手方が裁判上提出する書類(答弁書、準備書面、証拠説明書、書証、人証申請書等)も、その送達場所宛に、郵送とか、FAXとかで送られます。
 通常は、特に届出書を作成しなくても、訴状や答弁書の当事者の表示のところに「送達場所」の文字を入れておけば、それが送達場所の届出と扱われます。弁護士が代理人として訴状や答弁書を作成するときは、弁護士の事務所の表示のところに「送達場所」という記載を入れるのがふつうです。そうすると、代理人である弁護士の事務所が送達場所となり、裁判所や相手方からの文書はすべて代理人事務所に送られ、本人のところには送られません。当事者(原告、被告)本人は、自分が依頼した弁護士からその写しを受け取ることになります。
 訴状、答弁書には当事者を表示し、当事者または代理人の郵便番号と電話番号を記載すべきことになっています(民事訴訟規則第53条第4項。従前はファクシミリ番号も記載することと定められていましたが、2023年2月20日以降は不要になりました)。訴状、答弁書に「送達場所」という記載をしなかった場合は、当事者本人が受け取りたい場合は、自分の郵便番号、住所と氏名、電話番号(現在の民事裁判の運営の実情からすれば、ファクシミリがある場合はファクシミリ番号も記載した方がいいと思います)を記載した送達場所の届出書を別に作成して裁判所に提出することになります(相手方にも副本を送った方がいいと思います)。

 訴えの提起については「民事裁判の始まり」でも説明しています。
 モバイル新館のもばいる 「訴えの提起(民事裁判の始まり)」でも説明しています。
  

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