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短くわかる民事裁判◆
民事裁判での和解
 民事裁判では、裁判所から当事者にこの件は話し合いはできそうですかと聞いてきたり、裁判所として和解を勧告しますと言って、和解の協議になることが多いです。民事裁判は紛争の解決を目的とするものですから、判決をしなくても当事者が合意できればそれでいいという考えです。
 2022年中に終了した地裁の民事第一審事件での和解率は32.8%、そのうち私の得意分野の労働事件だけを見ると和解率は52.8%に達しています(「裁判の迅速化に係る検証に関する報告書(第10回)」2023年7月28日公表)。
 和解の合意ができれば、裁判所が合意内容を調書にします。和解調書は、判決と同様、それに基づいて強制執行ができます(民事訴訟法第267条)。話し合いが決裂すれば、和解はできず、通常の裁判の手続に戻ります。

 裁判所が和解勧告をするタイミングはさまざまです。あらゆる段階で和解勧告があり得ます(民事訴訟法第89条)。第1回口頭弁論期日で和解勧告があることもありますし、準備書面のやりとりをしている段階でも時々聞かれます。準備書面が大方出尽くして人証調べをするかどうかという段階で和解勧告がなされることもよくあります。人証調べが終わり、あとは判決というときにもよく和解勧告がなされます。
 といっても、和解勧告が必ずあるというわけではなく、裁判所が当事者の様子からこの事件はおよそ和解は無理と考えているときやほぼ一方的な事件の場合など、和解勧告が一度もなく判決に至るということもあります。

 和解については「和解」でも説明しています。
 モバイル新館のもばいる 「和解」でも説明しています。
 

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