庶民の弁護士 伊東良徳のサイト

たぶん週1エッセイ◆
私が宇都宮さんを推す3つの理由
ここがポイント
1.宇都宮さんは庶民の味方である
2.宇都宮さんには不可能を可能に変える信念と粘り強さがある
3.宇都宮さんには脱原発の志がある

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 私は東京都知事選(2014年1月23日告示、2月9日投票)で宇都宮健児さんを推薦します。
 その理由は、私が宇都宮さんと一緒にやってきたり仰ぎ見てきて実感した3つのこと、@宇都宮さんは庶民の味方である、A宇都宮さんには不可能を可能に変える信念と粘り強さがある、B宇都宮さんには脱原発の志がある、ということにあります。
 なお、私は細川護煕候補や細川護煕候補を応援する脱・反原発の人々の足を引っ張ったり貶める気持ちはまったくありません。細川護煕候補に投票することにも意義があり大義もあると思っています。
 ただそれでも私は自分の経験から自信を持って宇都宮さんを推したいと思い、この選挙に臨んでいます。

1.宇都宮さんは庶民の味方である:多重債務者救済・貧困問題への取り組みから
 「債務整理・過払い金請求の仕事をしてるわけ」で説明しているように、私自身は弁護士会が多重債務者問題専門の法律相談センターを開設した1998年から多重債務者の事件を多く取り扱うようになったのですが、それよりずっと前から多重債務者の救済に献身的に取り組んできたのが宇都宮さんです。多重債務者の債務整理がただ手間ばかりかかって収入につながらないとしてほとんどの弁護士が敬遠していた時代に、率先して多重債務者の事件に取り組み、ヤクザのような高利貸しと対峙して闘ってきた宇都宮さんの姿は、私のような弁護士会が組織的に取り組むようになってから始めた後続者の目には仰ぎ見るべき尊敬の対象でした。
 宇都宮さんの取り組みは多重債務者の救済のみならず、貧困問題全体への取り組み・運動へとつながっていき、日弁連会長時代にもそれを続けています。
 消費税を増税して庶民から巻き上げた金を法人税減税で企業とりわけ大企業に還元し公共事業で土建屋にばらまくという企業優遇・庶民いじめを「アベノミクス」などと名付けて浮かれている連中が政権を取っているこの時代、宇都宮さんのような庶民の味方、貧困問題に取り組む人が選挙で勝利し東京都のトップになることこそがこの国にとって最善の道と私は確信しています。

2.宇都宮さんには不可能を可能に変える信念と粘り強さがある:オウム事件での経験から
 私は松本サリン事件被害者弁護団の代表として、地下鉄サリン事件被害対策弁護団長の宇都宮さんと1995年以来ともにオウム事件被害者の救済に取り組んできました。
 オウム事件では、多数の罪もない人がただ特定の場所に住んでいただけ(松本サリン事件)、特定の電車に乗り合わせただけ(地下鉄サリン事件)で殺害されたり縮瞳・吐き気・PTSD等の被害や後遺症に苦しんだり職場を追われるなどして人生を狂わされました。そういう被害者の救済の過程で、破産手続で国が被害者への配当の上前をはねるのを防止したり、オウム真理教の教団財産の流出を防いだり、そして破産手続でもごく一部しか補填されない損害を回復するために、被害者側が奔走して、3件の特別立法が成立しました。それは3つとも法律家の世界での常識を覆す異例の立法で、率直に言えば私などは運動に取り組むけれども実現は無理だろうと思っていたものです。
 しかし宇都宮さんは、頑張ればできる、やらなければ前に進まないと、私たちを励まし地道に着実に運動を進めていき、結局、不可能に思われた特別立法を3度も成立させてしまったのです。もちろん、オウム被害救済の特別立法は、事件の性質から共感してくれる人が多かったこと、阿部管財人の奔走などの事情があり、宇都宮さん1人で成し遂げたということではありません。しかし、ともすれば絶望に入り込みがちな私たちを引っ張っていった宇都宮さんの信念と粘り強さが大きな力となったことも事実です。私は、この経験からも、宇都宮さんは都知事としても私たちの期待に応えてくれると信じています。

3.宇都宮さんには脱原発の志がある
 私は、長らく原発裁判に関わってきました(確認したい方は「私が担当する原発裁判」を見てください)。これに関しては宇都宮さんと一緒に事件をやってきたわけでもまた宇都宮さんが原発訴訟をやってきたわけでもありません。
 しかし、宇都宮さんは日弁連会長になる際に、おそらく日本の原発裁判で最も多数の原発裁判を担当してきた海渡雄一さんを事務総長(日弁連の役職で唯一会長が直接指名できる事実上のナンバー2)に指名し、先の都知事選でも脱原発を公約として明言し、今回の都知事選でも最初に脱原発を掲げています。宇都宮さんの脱原発の志は本物だと思います。チェルノブイリ原発事故(1986年)以前から長きにわたりずっと原発訴訟に取り組んできた弁護士の海渡雄一さんと私は宇都宮さんを推薦しています。

この文書の責任者:伊東良徳
メールアドレス:info@shomin-law.com

(2014.1.23記)

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