◆短くわかる民事裁判◆
判決期日の変更（延期）
いったん指定された判決言渡期日が、変更（延期）されることは、多くはありませんが、「稀」とは言えない程度にはあります。
裁判所から早めに言われることもありますが、前日とか、当日になって言われることも少なくありません。
期日の指定は裁判所の職権（民事訴訟法上は「裁判長」の権限）で行うものですから、文句も言えないのですが、当事者の都合による期日の変更は、「顕著な事由がある場合に限り許す」（民事訴訟法第９３条第３項：すごい上から目線の条項ですよね）とされているのですから、裁判所の都合で変更するときも理由の説明が欲しいところです。しかし、裁判所から変更の理由が説明されることは、まずありません。まぁ、なんと言っても判決がまだ書けていないから延期されるわけで、当事者としては裁判所の心証を害するようなことはとてもできませんので、黙って、そうですか、わかりましたと言うしかありません。
判決期日の指定の際にも、当事者の都合は聞かれません（その事情は、「判決期日の指定」で説明しています）から、変更の場合も、こちらの意見は聞かれずに裁判所の都合で、いついつに延期しますと一方的に言われるだけです。
当事者としては、勝てるとみている事件では、裁判所が何を考え込んでいるのかとやきもきし、負けそうな見通しのときには、ひょっとしたら…などと考えたりしますが、真相は藪の中で、宙ぶらりんの期間が長引き、精神衛生上よくありません。
判決については、モバイル新館の「弁論の終結と判決」でも説明しています。
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