◆短くわかる民事裁判◆
期日には出頭?出席?
期日請書について標準的な記載例が「頭書の事件について、口頭弁論期日を令和○年○月○日午前○時○分と指定告知されましたので、同日時に出頭します」だということを紹介しました。
裁判所では、当事者(原告、被告)やその代理人(弁護士)が裁判所に行くことや期日に出席することをすべて「出頭」と呼んでいます。民事訴訟法では当事者とその代理人の弁護士の期日出席をまったく例外なく「出頭」と規定しています。証人、鑑定人についても同じです。ちなみに刑事訴訟法では裁判官と書記官は「列席」、検察官と被害者参加人、被害者参加人から委託を受けた弁護士は「出席」、被告人、弁護人、証人、鑑定人が「出頭」と規定されています。
期日請書の表現だけでなく、口頭弁論調書、弁論準備期日の調書、和解調書などでも「出頭した当事者等」という記載がなされています。法律が規定している用語・呼称なので、裁判所がそれを使用するのは当然ではあるのですが。
裁判所側にその表現にためらいはないのでしょうか。
今回、ちょっと調べていて、東京簡裁の期日請書の書式例が「頭書の事件について、口頭弁論期日を令和 年 月 日午前・午後 時 分と指定され、了解しました」となっているのを発見しました。「出頭」もなく、また「承知しました」でもなく「了解しました」です。弁護士相手ではなく、一般人相手に出している書式集(東京簡裁の書式集はこちら)なので、ちょっと気を遣っているのかと思いますが、裁判所でもそういう思いを持つ人もいるのだなと認識を新たにしました。
訴えの提起については「民事裁判の始まり」でも説明しています。
モバイル新館の 「訴えの提起(民事裁判の始まり」でも説明しています。
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