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短くわかる民事裁判◆
訴訟救助:資力要件
 「訴訟救助申立」で説明したように、訴訟救助の要件は、訴訟費用を支払う資力がないことと勝訴の見込みがないとはいえないことです(民事訴訟法第82条)。この要件は、法テラス(司法支援センター)の援助の要件と同じです。
 しかし、近年の訴訟救助の実務では、資力要件の方は、法テラスより厳しく審査されています。法テラスでは弁護士の報告書だけで認めてくれるのに裁判所は収入と資産の資料も出させるという手続面での厳しさもありますが、資力のレベル感も違います。法テラスでは解雇事件で使用者から賃金が支払われなくなって収入がなくなると、預貯金が180万円(単身者の場合)以上ない限り、援助してくれます(法テラスの援助基準はこちら)。法テラス利用の事件(法テラスは援助決定済)で、解雇されて無収入の労働者が実家に身を寄せているケースで、裁判所から生活費は親が出しているのだから収入がなくても生活には困らない、貯金で印紙は出せるだろうと訴訟救助を却下されて驚愕した経験があります。
 多くの裁判官はそこまではいわないと思いますが、ときおりとても厳しい例があり困ります。

 刑事施設収容者の訴訟救助申立について、裁判所が刑事施設に、領置金(刑事施設が被収容者から預かっているというか取り上げている金銭)の金額を報告させた上で決定しているのも、事件記録上確認したことがあります。

 訴訟救助については「裁判所に納める費用が払えないとき(訴訟救助)」でも説明しています。
 モバイル新館のもばいる 「訴訟費用が払えないとき(訴訟救助)」でも説明しています。
  

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