◆たぶん週1エッセイ◆
新年を迎えて 2007年
経済界の意向に沿って企業がやりたい放題にリストラや労働条件の切り下げを進めるのを容認するような「改革」が進められ、庶民の生活レベルがどんどん下がり、企業は儲けても個人消費は回復しないし多重債務者が増える一方という事態が続いています。昨今の政治は「労働ビッグバン」と称してさらにそれを後押ししようとしています。
司法の世界でも、強者と弱者の力の差を是正するような措置は執られないままに、ただ速さと刑事では厳罰化ばかりが促進される改革が進められています。弁護士としては、制度が悪くなっても、その中でそれなりの結果を出すべく努力していますが、振り返って政治の状況を見ると悲しくなることが多くなっています。いつの間にここまでむき出しの弱肉強食の政治が支持を集めるようになってしまったのでしょうか。
個別の判決には、希望を持てる場面も少なからずあります。以前は勝訴がおよそ望めなかった原発訴訟も、住民側の勝訴が出るようになっています(残念ながら私が担当した訴訟ではまだ勝てていませんが)。労働事件も、個別の認定では疑問もありますが、全体として悪い状況ではないと思います。消費者金融に対する訴訟は、今は追い風です。
個別の事件で政治・行政や強者の横暴をリカバーしていくのが司法の役割ですから、地道に闘っていきたいとは思います。でも、疲れる・・・
今年は、私の担当している原発裁判では、JCO臨界事故被曝者健康被害訴訟と浜岡原発差し止め訴訟で判決がある予定です。六ヶ所再処理工場の裁判では、臨界問題についての証人尋問が予定されています。
労働裁判では、旧郵政省(現日本郵政公社)の4.28処分の取消・無効確認訴訟が高裁での全面勝訴判決後最高裁でつるされたまま2年半を経過しました。一日も早く日本郵政公社の上告受理申立が不受理となるといいのですが。
このサイトも開設後1年8ヵ月を過ぎ、昨今ではトップページへのアクセスが1日100件強、ページビューが1日1000件強程度です。12月になってYahoo!Japan経由の検索でのアクセスが減っているのがちょっと気になりますが。
2006年の読書数は、青息吐息で366冊になりました。途中で、今年の目標365冊って書いちゃったんで、ちょっと意地になりましたね。最後は、やっぱり数あわせって感じになりましたけど。
今年もよろしくお願いします。
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