◆短くわかる民事裁判◆
事件番号
訴えを提起すると(訴状を提出すると)、裁判所はその事件の事件番号を決めて登録します。事件番号は、裁判所ごと(支部は支部ごと)に、事件の種類ごとに事件記録符号をつけてその符号ごとに、受け付けた年ごとに、年の初めから受付順に番号を振っていきます。東京地裁霞ヶ関本庁の受付で2025年の最初に受け付けた民事通常事件は、東京地裁令和7年(ワ)第1号になります。東京地裁立川支部が2025年の最初に受け付けた民事通常事件は、東京地裁立川支部令和7年(ワ)第1号となります。年号は和暦・元号表記が使用されます。事件記録符号は、地裁の第1審民事通常事件は(ワ)で、業界ではワ号事件とも呼ばれます。
元号を用いて年ごとに、ということだと、4月末日まで平成31年で5月1日から令和元年になった2019年はどうしたのか、気になる方もいるでしょうね。このときは2019年4月末日までに受け付けられた事件数にそのまま引き継いで5月1日以降に受け付けた事件の事件番号が振られました。したがって、「令和元年(ワ)第1号」という事件番号はおそらく存在しません(2019年1月1日から4月末日まで1件も提訴がなかった小規模裁判所支部があれば別ですが)。
受付順に番号を振るのですが、東京地裁のように受付が複数あるときは、その年の最初に受け付けた事件に必ず1番を振るというわけにもいきません。民事通常事件(ワ号事件)について、東京地裁では、霞ヶ関本庁では1番から番号を振り、ビジネス・コート(中目黒庁舎)で受け付ける会社関係訴訟(民事第8部担当の事件)には7万番台の番号を振っています。「訴訟」ではありませんが、保全処分(事件記録符号は「ヨ」)については、霞ヶ関庁舎2階の民事第9部で受け付ける事件は1番から番号を振り、ビジネス・コート(中目黒庁舎)で受け付ける商事関係の保全事件(民事第8部が担当する保全事件)は2万番台、霞ヶ関庁舎13階の民事第19部で受け付ける労働関係保全事件(労働部=民事第11部、第19部、第33部、第36部が担当する保全事件)は2万1000番台の番号を振っています。
提訴した事件の事件番号は、訴状を裁判所に持っていってその場で事件受付票を作成してもらえば、その場でわかります(その場合は担当部もわかります)。そうでない場合(郵送で訴状を提出した場合、受付まで持っていったが受付票を作ってもらえない場合)は、翌日以降に民事受付に電話すれば教えてくれます。待っていれば、後日担当部から連絡(電話かFAXか郵送)があり、そのときにわかります。
訴えの提起については「民事裁判の始まり」でも説明しています。
モバイル新館の 「訴えの提起(民事裁判の始まり」でも説明しています。
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