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短くわかる民事裁判◆
再審の訴状の必要的記載事項
 再審請求は、再審の訴えを提起して行うこととされています(民事訴訟法第338条第1項柱書)。
 再審の訴状には、当事者及び法定代理人(民事訴訟法第343条第1号)、不服の申立に係る判決の表示及びその判決に対して再審を求める旨(同条第2号)、不服の理由(同条第3号)を記載しなければなりません。
 第1号と第2号は控訴状の必要的記載事項(民事訴訟法第282条第2項)と同趣旨です。控訴状について「控訴状の必要的記載事項」で説明しているように、訴状で請求の趣旨に当たる控訴の趣旨、控訴審の審理の範囲を制限する不服の限度は法令上は要求されていません。それと同様、再審訴状にも請求の趣旨ないし再審の趣旨、再審の「本案の審理(ほんあんのしんり)」(再審開始決定がなされ確定した場合に行われる確定判決の事件についての審理)を制限する「不服申立ての限度」(民事訴訟法第348条第1項)は、法令上は記載が要求されていません。(ただし、法令上要求されていなくても、当然、きちんと書くべきでしょう)
 第3号の不服の理由は、再審事由を指すものと考えられています(1999年度裁判所書記官実務研究報告書「民事上訴審の手続と書記官事務の研究」2019年補訂版421ページ)。ここでは、控訴状等(上告状、上告受理申立書、即時抗告状、抗告許可申立書、特別抗告状)と異なり、期間を守るためにとりあえず形式だけを整えて後日理由書を提出するというスタイルを取ることは予定されていません。再審請求では、再審事由を知った日から30日の出訴期間があります(これについては「再審期間:知った日から30日の出訴期間」で説明しています)ので、再審事由を具体的に記載することなく期間を経過すると、裁判所から補正命令もないままに訴えを却下される場合があります(その問題については「再審事由の不記載と訴え却下」で検討・説明しています)。

 民事訴訟規則上、再審の訴状には、再審請求の対象とする判決(確定判決)の判決書の写しを添付することとされています(民事訴訟規則第211条第1項)

 私に再審の相談をしたい方は、「再審メール相談」のページをお読みください。

 再審については「再審請求の話(民事裁判)」でも説明しています。
 モバイル新館のもばいる「再審請求」でも説明しています。

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