◆短くわかる民事裁判◆
訴訟費用計算書の作成
訴訟費用の取り立てのために訴訟費用額確定処分の申立てをするには、訴訟費用計算書を作成して、申立書、訴訟費用の裏付けとなる書類の写し(通常は、必要となるのは旅費関係)とともに、裁判所に提出し、相手方に直送する必要があります。その手続等については「訴訟費用額確定処分」で説明しています。
訴訟費用計算書は、特段の書式は定まっていません。松江地裁が公表している申立書と計算書の書式はこちら、その記載例はこちら(記載例は新しいのが見つからなくて、法人登記簿謄本が700円、普通郵便料金が80円のときの数字です。数字は気にせずにご覧ください)、解説はこちら
まず自分に生じた訴訟費用を、項目ごとに計算して、その金額を記載します。
ほぼ確実に発生している費用としては次の費目があります。
原告側では、訴え提起手数料として、納付した金額の全額(訴状提出時のみならず、その後訴えの変更で追加納付した場合はそれも合わせて)を計上します。
原告側では、書類の送達等の費用(郵券で予納したものから返還を受けたものを差し引いた額がその合計金額となります)を計上します。
原告側では、裁判所に提出した官公署等からの書類(法人の資格証明書等)の取り寄せ費用を計上します。
原告側、被告側を問わず、出席した期日の期日日当(1回3950円)を計上します。
原告側、被告側を問わず、実際に裁判所に赴いて出席した期日の旅費を計上します。
原告側、被告側を問わず、提出した準備書面等、書証の通数に応じて、書類の作成及び提出費用を計上します。
通常の場合、この程度ですが、他に認められる費目(「訴訟費用に含まれるもの」で説明しています)、例えば訳文の翻訳料とか裁判所への郵送料等があって請求したいときはそれらも計上します。
最後に、訴訟費用額確定処分のために予納する郵券額(訴訟費用額確定処分の送達費用等)を計上します。(民事訴訟費用法第11条第1項第1号の「書類の送達その他の民事訴訟等における手続上の行為」に含まれ、民事訴訟費用法第2条第2号の訴訟費用に含まれると解され、訴訟費用額確定処分の実務上、裁判所はまったく問題なく訴訟費用に含めています)
それら申立人に生じた訴訟費用の合計額を記載し、それに、訴訟費用の負担の裁判で相手方が負担するとされた割合を掛けます。
例えば、「訴訟費用は、これを5分し、その2を原告の負担とし、その余を被告の負担とする。」とされた場合に、原告が申立人となるときは、5分の3を掛けます。もちろん、「訴訟費用は被告の負担とする。」とされている場合は、単に合計額のままです。
訴訟費用とその取り立てについては「訴訟費用の取り立て(民事裁判)」でも説明しています。
モバイル新館の 「訴訟費用の負担(訴訟費用の取り立て)」でも説明しています。
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