◆短くわかる民事裁判◆
予納郵券の訴訟救助
訴訟救助の対象は本来訴え提起手数料に限られず、予納郵券も含まれますが、現実には予納郵券については訴訟救助はなかなか認められません。
訴え提起手数料(訴状に貼る印紙)が納められなくても裁判所の現場では特に困ることはありませんが、予納郵券が納められないと、訴状副本の被告への郵送費用から、裁判所が立て替えなければならず、端的にいえば、書記官の手間がかかります。そういうこともあってだと思いますが、予納郵券についての訴訟救助には抵抗があります。
私の経験では、本当に食うに困って、もちろん弁護士費用は法テラス(当時はその前身の法律扶助協会)利用で、打ち合わせのために事務所に来てもらうのに交通費が工面できないから工面できるまで打ち合わせは待ってくれという依頼者について、裁判所にその旨の報告書を出して予納郵券も訴訟救助をもらったことが、2006年に1度だけあります。
刑事施設収容者のような場合は、裁判所は刑事施設に領置金(刑事施設が預かっている被収容者のお金)の額を報告させた上で、予納郵券も訴訟救助を認めているようです。
予納郵券についても訴訟救助が認められた場合の決定主文は、損害賠償請求事件であれば、「当庁令和○年(ワ)第○○号損害賠償請求事件につき、申立人(原告)に対し、訴え提起手数料○万円及び書類の送達費用について訴訟上の救助を付与する。」となります。
訴訟救助については「裁判所に納める費用が払えないとき(訴訟救助)」でも説明しています。
モバイル新館の 「訴訟費用が払えないとき(訴訟救助)」でも説明しています。
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