庶民の弁護士 伊東良徳のサイト

弁護士の仕事
大事件を受けるとき
ここがポイント
 事件の種類にもよるが、私がやってきたような経済的にはペイしない(むしろマイナス)の大事件は、弁護士会や先輩弁護士から頼まれて/押しつけられてしかたなくやるのがふつう
   
 弁護士がものすごく手間のかかる事件を依頼されたとき、何を考えるでしょうか。
 世の中には、弁護士が有名になって儲けるために世間の注目を集める事件を受けたがっていると考える人がいるようです。アメリカのリーガル・サスペンスというか弁護士が出てくる小説にはよくそういう弁護士が登場しますし、日本のドラマや小説にもそういう弁護士が登場します。最近読んだ本でいえば横山秀夫さんの「半落ち」(2002年)にもそういう弁護士が登場しますね。
 私はこれまでマスコミが注目する事件を相当数やりましたが、経済的に見てプラスになったと感じることはありませんし、自分から受けたいと思ったこともありません。一般の方は、弁護士は特定の分野を専門にやっていると誤解していますので、マスコミに出るとこの弁護士はその分野の専門であると考えて、他の分野の事件を依頼しようとは考えません(そのあたりの事情については「弁護士の専門分野」をご覧ください)。ですから、大企業が依頼するような儲かる種類の事件で報道されるのであれば経済的にプラスでしょうが、私がマスコミに出るようなタイプの事件は、手間はかかるが経済的にはペイしないタイプのものがほとんどですから、経済的にはむしろマイナスです。連合赤軍事件の判決報道で大きく写真が出た後など、何人かの依頼者(もちろん民事事件の)から「先生は刑事事件が専門だったのですね」と恨みがましい電話があり、言い訳に苦労しました。
 大抵の場合、弁護士会から頼まれたり、知人の弁護士から一緒にやってくれないかと頼まれて、大変な事件だけど仕方ないかと思って受けるわけです。そこを誤解されると本当にガックリ来ます。
 私の経験から、弁護士会から依頼された超大事件で、私が何を考えたかを紹介してみます。
見出しマーク あさま山荘事件の場合

    見出しマーク 松本智津夫の場合(受けなかったわけですが)

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