◆短くわかる民事裁判◆
裁判官の除斥申立て
裁判官に除斥事由(その事件や当事者に裁判官が一定の利害関係等を有すること:「裁判官の除斥」で説明しています)があるとき、裁判所は当事者の申立てにより、または職権で(申立てがなくても裁判所の判断で)、その裁判官を除斥する裁判(決定)を行うこととされています(民事訴訟法第23条第2項)。
除斥の申立ては、その裁判官が所属する裁判所に対して行い(民事訴訟規則第10条第1項)、期日においてする場合は口頭でも可能ですが、そうでない場合は書面で行うこととされています(民事訴訟規則第10条第2項)。書面で行うときは、ファクシミリでの提出はできません(民事訴訟規則第3条第1項第3号:その提出により訴訟手続を停止する書面になるので。1997年度書記官実務研究報告書「新民事訴訟法における書記官事務の研究(Ⅱ)9ページ)。
申立手数料は不要です(忌避申立ての場合は申立手数料が500円かかります:民事訴訟費用法別表第1 17の項イ)。
除斥の申立ては、忌避申立てとは異なり、口頭弁論期日や弁論準備期日で事件について主張等を行った後でも、行うことができます(忌避申立ての場合は、制限があります:民事訴訟法第24条第2項。「裁判官の忌避申立て」で説明しています)。
除斥の原因は、申立ての日から3日以内に疎明(一定程度の根拠資料を提出すること)しなければならないとされています(民事訴訟規則第10条第3項)。
高裁の裁判官に対して除斥の申立をした申立人が3日以内に疎明資料を提出しないことを理由に除斥申立てを却下した決定に対して、原審が適切に訴訟指揮を行い釈明権を行使すべきだと主張した許可抗告(高裁の決定に対する不服申立て手段:「高裁の決定に対する不服申立て:許可抗告・特別抗告」等で説明しています)が退けられています(最高裁2001年2月13日第三小法廷決定:判例時報1790号19ページ【2】)。
民事裁判の手続全般については「民事裁判の審理」でも説明しています。
民事裁判の登場人物についてはモバイル新館の 「民事裁判の登場人物」でも説明しています。
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