◆短くわかる民事裁判◆
再審の訴えの受付と事件配点
再審の訴えの提起(再審請求)は、再審の対象となる判決(不服申立てに係る判決)をした裁判所宛の(再審)訴状を、再審の対象となる判決をした裁判所の民事受付に提出して行います(民事訴訟法第340条第1項)。
再審の訴えの提起については、「再審の訴えの提起」で説明しています。
受付をした裁判所は、簡易裁判所では(ニ)、地方裁判所では(カ)、高等裁判所では(ム)、最高裁判所では(ヤ)の事件記録符号を付して事件番号を振ります。
この事件番号は、再審開始決定が確定して本案の審理(確定判決を見直すための審理)が開始されることになっても新たな番号は振られず、そのままです。
再審の訴えの担当部(事件の配点)については、「現在の実務上の取扱いでは、多くの場合、原判決をした部と同じ部で再審の訴えを審理することになっている」とされています(コンメンタール民事訴訟法Z 80ページ)。
そして、東京地裁の裁判事務分配に関する定め(「東京地方裁判所及び管内簡易裁判所の令和4年度における裁判官の配置、裁判事務の分配及び代理順序、 開廷の日割並びに司法行政事務の代理順序についての定め(令和4年1月1日現在)」)(こちら。弁護士山中理司のブログ掲載資料)では、第10条に「再審の対象となった裁判をした部に分配する。」と明記されています。
東京高裁の裁判事務の分配に関する定め(「令和6年度における東京高等裁判所の裁判官の配置、裁判事務の代理順序、裁判事務の分担、事件の分配、開廷日割及び行政事務の代理順序に関する定め」)(こちら。弁護士山中理司のブログ掲載資料)でも、「第4章 事件の分配」、「5 再審事件等」(1)で「民事に関する再審事件」は「その裁判をした部に分配する。」と明記されています。
したがって、再審の訴えは、再審の対象となる判決をした部が担当するのが通常であると考えておくべきでしょう。
※最高裁1964年9月4日第二小法廷判決は、「民訴法35条6号にいわゆる前審の裁判とは、当該事件について直接または間接に下級審のなした裁判を指称し、再審請求をもつて不服を申し立てられた裁判に関与した裁判官が右再審の裁判に関与する場合のごときは、同号にあたらないと解するのを相当とする」として、再審請求の対象となる判決に関与したことは、再審の訴えの審理において除斥事由(前審関与)に当たらないとしています(判決引用の民事訴訟法第35条は現行民事訴訟法の第23条に当たります)。
担当部での審理については「再審請求の審理」で説明しています。
私に再審の相談をしたい方は、「再審メール相談」のページをお読みください。
再審については「再審請求の話(民事裁判)」でも説明しています。
モバイル新館の「再審請求」でも説明しています。
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