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短くわかる民事裁判◆
貸金請求の訴訟物の価額
 貸金請求の請求の趣旨で例示した、貸主が借主に対して貸金の元本300万円、支払期限(弁済期)までの利息33万円と支払期限の翌日から年21.9%の遅延損害金を請求するケース、訴状の請求の趣旨が、
1.被告は、原告に対し、金338万7600円及びうち金300万円に対する令和8年2月2日から支払い済みまで年21.9%の割合による金員を支払え。
2.訴訟費用は被告の負担とする。
との判決並びに仮執行の宣言を求める。
の場合、訴訟物の価額は300万円です。
 元本とともに請求されている利息や遅延損害金は、附帯請求(ふたいせいきゅう)iなので、「印紙額計算の基準:訴訟物の価額」で説明したとおり、訴訟物の価額に算入されません(民事訴訟費用法第4条第1項、民事訴訟法第9条第2項)。
 したがって、この場合、訴状に貼る印紙の額は2万円となります(「訴え提起手数料:訴状に貼る印紙」に早見表を掲載しています)。

 貸主が、借主とともに保証人も被告として訴え、訴状の請求の趣旨が、
1.被告らは、原告に対し、連帯して金338万7600円及びうち金300万円に対する令和8年2月2日から支払い済みまで年21.9%の割合による金員を支払え。
2.訴訟費用は被告らの負担とする。
との判決並びに仮執行の宣言を求める。
の場合も、借主に対する請求と保証人に対する請求は、一方から現実に支払を受ければ他方の残債務がその分減る、2人合わせてその額の支払い義務があるという関係にあって、原告が得られる利益が共通していますので、「印紙額計算の基準:訴訟物の価額」で説明したとおり、訴訟物の価額は(2人分で600万円にはならず)300万円です(民事訴訟費用法第4条第1項、民事訴訟法第9条第1項但し書き)。

 訴え提起手数料については「裁判所に納める費用(民事裁判)」でも説明しています。
 モバイル新館のもばいる 「裁判所に納める費用(民事裁判)」でも説明しています。
  

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