このサイトでは、民事裁判のしくみや手続、労働事件、借金の整理 過払い金請求などについて説明しています。
【民事裁判の手続】
民事裁判では、法廷で行う「口頭弁論期日(こうとうべんろんきじつ)」に当事者の主張・立証を行い、その口頭弁論期日に行われた主張・立証から裁判所が一定の心証を持ち、それに基づいて判決を行うのが基本です。
主張・立証は、まずそれぞれの当事者が請求(基本的には原告の請求)が認められるかどうかに影響するような法律構成とその要件となる事実を主張して、どの事実に争いがありどの事実が認められれば請求が認められたり認められなかったりするかの枠組みを明らかにします。このことあるいはこの段階を裁判業界では「主張整理(しゅちょうせいり)」といいます。
「民事裁判という制度」の「何が判断されるのか」で説明した判断の対象を整理するわけ。
「口頭弁論」と呼ばれていますが、現実にはその場で弁論を行うのではなく、主張は「準備書面(じゅんびしょめん)」と呼ばれる書類にまとめ、提出したい証拠書類とあわせて事前に提出し(今は期日の1週間前までに提出するのが1つのスタンダードになっています)、期日には提出された書類についての裁判官や相手方からの質問やそれに対する答え、次回の予定などを述べるというのが通常のスタイルになっています。
書面を出すだけなのに「口頭弁論」なんて・・・
裁判官が「準備書面の通り陳述しますね」と聞いて「はい」と答えたら全部口で言ったことになる約束ごとなんです。
証拠書類は、原則として主張整理段階で提出します。
主張整理段階では、主張や証拠がややこしかったり、和解の話し合いができそうな場合は、法廷で行う口頭弁論期日ではなく、書記官室(実際には書記官室のエリアにある小部屋)で「弁論準備期日(べんろんじゅんびきじつ)」という形で非公開で行うことがあります。
民事裁判では、裁判所から当事者に和解は可能かという質問が随時あります。話し合いで和解する可能性があると裁判所が判断すれば、「弁論準備期日」で和解の話し合いも進められたり、はっきりと「和解期日(わかいきじつ)」が指定されてやはり書記官室で裁判所が間に入って和解の話が進められることになります。
主張整理が終わって、その段階でも和解ができそうになく判決を出す必要があると、証人尋問・当事者本人尋問の「人証調べ(にんしょうしらべ)」を行います。人証調べは、それまで「弁論準備期日」で進めていても、「口頭弁論期日」に戻されて、法廷で行われます。
人証調べの後で新しい主張はできるの?
原則としてNGです。そのために人証調べ前に時間をかけて主張整理をするんです。
人証調べが終わると、通常は、当事者の主張・立証は既に尽くされているということになり、口頭弁論は終結することになります。ここで裁判所から改めて和解の勧告があることもありますし、そのまま弁論を終結して判決に進むこともあります。比較的多数の証拠が提出された事件では、弁論の終結に際して、これまでに提出された証拠・証言によって自分が主張した事実がこのように立証されているということをとりまとめて主張する「最終準備書面」を双方が提出することがあります。
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