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【第1回口頭弁論期日】
 第1回口頭弁論期日は、多くの民事裁判では、裁判官が原告側に「訴状の通り陳述しますね」と確認し、被告側は欠席して、裁判官が「被告から答弁書が提出されていますので、陳述を擬制します」と言って、次回期日を指定し、あっという間に終了します。

《陳述の擬制》
 口頭弁論期日では、当事者が事前に提出した書類(訴状、答弁書、準備書面)を、当事者が出席して「陳述します」ということで、その書類の内容をすべてその場で口頭で陳述したと扱うことになっています。事前に提出した書類を口頭弁論期日で陳述したことにするためには、その当事者が口頭弁論期日に出席していることが原則として必要です。
 しかし、第1回口頭弁論期日は、当事者の片方が欠席した場合、欠席した当事者が事前に提出した書類については、出席していなくても陳述したものと扱えます。これを裁判業界では「擬制陳述(ぎせいちんじゅつ)」とか「陳述擬制」と呼んでいます。

当事者の片方って、原告側が欠席でもいいの?
規定上はそうだけど、実際には無理。後で説明します。


 地方裁判所の場合、この擬制陳述が認められるのは、第1回口頭弁論期日だけで、第2回以降は事前に書類を提出していても出席しなければその準備書面等は陳述したことにならず、裁判上は提出されていないのと同じ扱いになり無視されます。簡易裁判所の場合は、第2回以降の口頭弁論期日にも擬制陳述が認められています。

《当事者が両方欠席したら》
 さて、多くの民事裁判では、第1回口頭弁論期日に被告は出席しません。被告側が来ないのなら、行っても張り合いがないと、原告側も欠席したらどうなるでしょうか。これは、第2回口頭弁論期日以降でも同じですが、当事者の両方が欠席した場合、裁判所は、弁論を「休止」し、次回口頭弁論期日を指定しません。そのまま当事者が裁判所に期日指定の申立をせずに1か月が経過すると、原告が訴えを取り下げたものとみなされます。このパターンで裁判が終了することを、裁判業界では「休止満了(きゅうしまんりょう)」と呼んでいます。
 うっかりするとせっかく民事裁判を起こしたのに、取り下げ扱いで何も判断されずに終わってしまいますし、1か月経つ前に期日指定の申立をすれば当然に再開はされますがその間裁判が進みません。そういうことですから、訴えを起こした原告側にとっては、望ましくない展開となるわけです。

わずか1分、2分のために平日の昼間に裁判所まで行くのかい。
弁護士も時間の無駄だと思ってるんですが、そういう制度なんですよね。

《原告側だけ欠席なら》
 さて、では原告側が欠席して被告側が出席したらどうなるでしょうか。擬制陳述の規定は、原告側にも適用されますから、原告側が欠席して被告側が出席の場合、訴状を擬制陳述して、答弁書を陳述という扱いが可能です。
 しかし、休止の規定は、当事者双方が欠席の場合だけでなく、出席したが弁論せずに退席した場合にも適用されます。その結果、被告側が口頭弁論に来てみたが原告側が欠席と知った場合、そのまま帰ってしまえば休止になります。ですから、被告側が裁判を進めることを積極的に希望しているという例外的な場合でなければ、被告側は退席して休止になります。そういうケースは稀だと思いますが、私自身、自分の担当する裁判の順番を待っているときに先にやっている別事件でそういうケースを見たことがあります。その時は、裁判所が、被告にそのまま帰れば休止になりますよと教えていました。
 そういうことから、規定上は原告側だけ欠席の場合、訴状の擬制陳述は可能になっていますが、現実的には原告側は裁判を進めるためには出席するしかないということになります。

被告側は欠席できるのに、原告側は欠席できないんだ。
原告側は民事裁判をしたくて起こしたんだからサボっちゃダメですよ。
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