◆弁護士の仕事◆
刑事事件での弁護士の役割
起訴前の段階での弁護士の仕事
被疑者との面会
被疑者と面会をして、事件の内容や取り調べの状況を把握し、弁護の方針を立てて被疑者に助言します。
意外に知られていないことですが、起訴前の段階では、弁護士は捜査側の証拠を見ることはできません。捜査の状況については、基本的には、被疑者に聞いて情報を得るのです。
そして、日本の場合に最も重要な取り調べについて被疑者に対応を助言します。
いつ、何回面会する?
面会で何をアドヴァイスする?
初動が大事
証拠集め
現場を見たり、関係者に話を聞いたりして被疑者に有利な証拠を集めます。
これは現実には十分できないことが少なくありません。
もっと詳しくは「証拠集め(刑事事件)」を見てください
被害者との交渉
被害者のいる事件では、被害者と会うことができれば会って示談交渉や被疑者に少しでも有利な事実がないか聞いたりすることがあります。
もっと詳しくは「被害者との交渉」を見てください
裁判官との接触
事件の性質によっては、身柄拘束を延長しないように裁判官に求めたりすることもあります。
これはあまり多くありませんし、うまくいくことはまれです。
もっと詳しくは「勾留への対抗手段」を見てください
検察官との交渉
起訴するかしないか、正式裁判(公判)を請求するか略式手続で罰金にするかはすべて検察官が決めます。
公判請求以外の可能性があるときは、検察官と交渉して、不起訴か罰金に落とすように働きかけます。
もっと詳しくは「検察官交渉」を見てください
起訴前の刑事弁護の流れをイメージするための例として「名もない強盗致傷事件から」を見てください
起訴後の弁護士の仕事
保釈請求
保釈が可能な事件では、保釈請求の手続をします。
もっと詳しくは「保釈について」を見てください
公判での弁護
検察官が証拠調べ請求する予定の証拠を検討して弁護方針を立て、被告人と打ち合わせをして公判に臨みます。
無罪主張の事件では、検察側の証拠請求のうち重要なものは書類は不同意にして証人尋問をし、また弁護側で出せる証拠書類や証人を探します。
事実関係を認める事件では、通常は検察官の請求する証拠書類に同意した上で情状に関する書類や証人を出します。
最後に弁論を行い、検察官の意見(論告・求刑)に反論し、被告人に有利な判決を出すよう裁判官を説得します。
もっと詳しくは「公判での弁護(争わないとき)」を見てください
【弁護士の仕事の刑事事件関係の記事をお読みいただく上での注意】
私は2007年5月以降基本的には刑事事件を受けていません。その後のことについても若干のフォローをしている場合もありますが、基本的には2007年5月までの私の経験に基づいて当時の実務を書いたものです。現在の刑事裁判実務で重要な事件で行われている裁判員裁判や、そのための公判前整理手続、また被害者参加制度などは、私自身まったく経験していないのでまったく触れていません。
また、2007年5月以前の刑事裁判実務としても、地方によって実務の実情が異なることもありますし、もちろん、刑事事件や弁護のあり方は事件ごとに異なる事情に応じて変わりますし、私が担当した事件についても私の対応がベストであったとは限りません。
そういう限界のあるものとしてお読みください。
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